演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

胆管がんに対する化学療法継続中の関節リウマチ患者にアバタセプトを投与しえた一症例

演題番号 : P88-9

[筆頭演者]
滝澤 康志:1 
[共同演者]
西澤 さとみ:1、齊藤 博美:2、横田 有紀子:2、須藤 桃子:2、竹中 一弘:2、高木 寛司:3、上條 浩司:2

1:飯山赤十字病院 薬剤部、2:飯山赤十字病院 内科、3:飯山赤十字病院 整形外科

 

【諸語】関節リウマチ(以下RA)の治療中にStage4の胆管がんと診断され化学療法をおこなっていたが、RAの症状増悪に伴いアバタセプト(以下ABA)を併用した症例を経験したので報告する。【症例】62歳女性、RAの症状コントロールが困難であることから、近医よりX2年8月に当院整形外科に紹介となった。生物学的製剤投与の是非を検討するために行われた胸部単純CTにて、胆嚢床に腫瘤を指摘されたため当院内科に紹介となった。精査の結果、胆管がん(Stage4)と診断され化学療法が開始となった。【経過】同年9月よりCDDP+GEM療法を開始した。2コース施行後の腹部CTではSDであった。3コース目の化学療法施行時よりRA症状の増悪がみられ薬剤の追加が必要と考えられた。ABAはマウスでリンパ腫及び雌の乳腺腫瘍の発症率上昇が報告されているためタクロリムスが選択され投与が開始された。3コース目までは血小板数は7-10万/µlで推移していたが、4コース目のday18に血小板数が1.1万/µ lまで減少したため内科入院となった。化学療法による血小板減少症が疑われたが、カンファレンスでは、むしろ整形外科より処方されたタクロリムスによる有害事象と考えられた。同薬の投与を中止すると血小板数は改善したが、その後の経過でRA症状の増悪がみられた。カンファレンスで検討をおこないQOLの向上を目的に生物学的製剤のABAを投与する方針となった。X3年1月よりABA を投与しながらCDDP+GEM療法を計8コース施行し、現在はGEM単独投与を継続しているが、現在もSDを保っている。【考察】胆管がん(Stage4)にたいして化学療法を施行している、コントロール困難なRA患者の症状緩和の問題に直面した。ABAはマウスでリンパ腫及び雌の乳腺腫瘍の発症率上昇が報告されているものの、海外臨床試験において悪性腫瘍の発現率がプラセボ群と差が認められなかったという報告がある。ABAを併用して4か月を経過したが、今のところ腫瘍の増大は認められず、RAの症状もコントロールできている。今後、同様の症例の蓄積が待たれるが、化学療法施行中のがん患者にABAの併用はおこなえる可能性が示唆された。

キーワード

臓器別:胆嚢・胆道

手法別:化学療法

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