演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

稀な胆嚢繊維肉腫に治療経験

演題番号 : P88-8

[筆頭演者]
安藤 仁:1 
[共同演者]
岡田 良:1、中島 貴宏:1、小船戸 康英:1、八島 玲:1、志村 龍男:1、小山 善久:1、竹之下 誠一:1

1:福島県立医科大学附属病院 器官制御外科学講座

 

はじめに 極めてまれな胆嚢原発線維肉腫の症例を経験したので報告する。症例 〈患者〉64歳、男性〈主訴〉特になし〈既往歴〉55歳 高血圧症、高脂血症〈現病歴〉近医の定期採血にてトランスアミナーゼの軽度上昇を認め、平成22年4月17日に腹部超音波検査が施行したところ、胆嚢癌を疑う腫瘤病変を認めたため4月20日精査加療目的に当院消化器内科紹介された。腹部CTでは、肝門部に主座をおく長径10cm大の充実性腫瘤を認め、胆嚢は圧排され内腔は虚脱していた。EGDS施行したが胃・十二指腸に所見はなかった。1ヶ月後の腹部CTでは腫瘍の増大を認め、可及的に早期の手術が望ましいと判断し、6月14日に当科入院した。腹部血管造影検査施行したところ、腹腔動脈、上腸間膜動脈からの造影では腫瘍は造影されなかった。後腹膜由来のGISTを最も疑い、6月16日に手術施行をした。腫瘍は長径約12cmで肝下面および肝十二指腸間膜右方に位置し、胆嚢と一塊となった腫瘍で、胆嚢を含めて腫瘍摘出術を施行した。術中の迅速病理診断では紡錘形核と線維状の細胞質を有する腫瘍細胞が束状あるいは錯綜配列を示す非上皮性腫瘍と診断された。永久標本による病理検査では胆嚢の筋層と連続する境界明瞭な結節状腫瘤で、腫瘍は紡錘形細胞がherring-bone patternを示して増殖し、細胞には大小不同や多型性も認めなかった。核分裂像は21個/50HPF。形態学的に悪性を考える所見であった。免疫染色ではVimentin:陽性、CD34:一部陽性、c-kit, SMA, S-100, Desmin, MSA, AE1/3, EMA, Caldesmon, CD57:陰性、MIB-1陽性率:16.9%(144/854),p53陽性率:1%以下だった。明らかな分化傾向が認められないことから、胆嚢に生じたfiborosarcomaと診断された。6月27日(第11病日)経過良好にて退院した。以後、no therapyにて外来followしていたが、平成23年11月18日の腹部CTで肝門部・尾状葉に再発を認め、化学療法の方針となり、イホマイド2 g+ドキソルビシン30 mgを開始した。現在化学療法を導入後より1年6ヶ月が経過したがでは腫瘍の縮小傾向を認め、今後根治手術を予定している。原発性胆嚢肉腫は、胆嚢原発悪性腫瘍の0.14%と非常に稀な疾患である。その中で線維肉腫はさらに稀であり、われわれが検索しえたかぎりでは、本邦報告は1951年荒川らが最初であり、本症例で4例目である。我々は稀な胆嚢原発繊維肉腫を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する。

キーワード

臓器別:胆嚢・胆道

手法別:集学的治療

前へ戻る