演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

KRAS野生型切除不能大腸癌1次治療におけるbevacizumabとcetuximabの有効性の比較

演題番号 : P85-15

[筆頭演者]
舛石 俊樹:1 
[共同演者]
鈴木 快:1、鈴木 雄一朗:1、小堀 郁博:1、柴田 勇:1、松本 有加:1、深見 裕一:1、市田 崇:1、草野 史彦:1、酒井 義法:1、田沢 潤一:1

1:土浦協同病院 消化器内科

 

【背景】切除不能大腸癌において、化学療法で腫瘍縮小が得られ、切除可能となった症例は、長期予後が期待できることが示唆されている。また、KRAS野生型に対しては、抗EGFR抗体薬の併用により、奏効率が有意に増加することが検証されており、その結果R0切除率が増加することが示唆されている。しかし、conversion therapyを目指すにあたり、bevacizumabと比較してどちらがより有効であるかを検証した報告は少ない。
【方法】主な適格基準は、(1)組織学的に大腸癌と診断されている(虫垂癌除く)、(2)KRAS野生型、(3)PS(ECOG):0-1、(4)化学療法施行歴がない、(5)十分な臓器機能を有する、(6)RECIST ver1.1の基準で1つ以上の標的病変を有する、(7)切除不能な転移巣を有する、(8)殺細胞性抗癌薬のレジメンは問わないが、フッ化ピリミジンとirinotecanもしくはoxaliplatinの併用、(9)分子標的治療薬はbevacizumabかcetuximabを併用、とした。bevacizumab併用化学療法群(B群)とcetuximab併用化学療法群(C群)の各群において、R0切除率、奏効率、平均腫瘍縮小率、無増悪生存期間を評価し、後方視的に比較検討した。
【結果】2008年5月から2013年3月までに切除不能大腸癌1次治療として分子標的治療薬を併用した134例のうち77例がKRAS野生型と判明し、適格基準を満たした44例を解析対象とした。B群は11例、C群は33例であった。全体の患者背景は、年齢中央値65歳(27-84歳)、男性/女性:31/13、PS0/1:33/11、結腸/直腸:29/15、切除不能/再発:29/15であった(単位:人)。両群に有意な差は認めなかった。B群/C群の順に、R0切除率0/15.2%(P=0.31)、奏効率36.4/68.8%(P=0.08)、平均腫瘍縮小率25.7/45.9%(P=0.005)、無増悪生存期間8.6/13.1か月(B群に対するC群のHR=0.86, P=0.72)であった。
【結語】R0切除率、奏効率、無増悪生存期間は有意差を認めないもののC群が良好な傾向があり、平均腫瘍縮小率は有意にC群で良好であった。さらに多数例の検討や臨床試験での検討が必要ではあるが、conversion therapyを目指すためには、腫瘍縮小が期待できるcetuximab併用化学療法が有効である可能性が示唆された。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:分子標的治療

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