演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

5-FUのbiomarkerに関する多施設共同前向きコホート研究

演題番号 : P84-14

[筆頭演者]
落合 匠:1 
[共同演者]
梅木 雅彦:2,5、三宅 洋:3、OPRT研究会:4

1:東京都保健医療公社 東部地域病院 外科、2:兵庫県立淡路病院 外科、3:春日部市立病院 外科、4:OPRT研究会、5:独立行政法人国立病院機構兵庫青野原病院

 

近年分子標的薬治療における有用なbiomarkerが出現して来ている.しかしながら現在も消化器癌化学療法におけるkey drugであり続ける5-FUに関しては,geneにおける網羅的解析等盛んに行われてはいるが,依然として経済的な面も含め実用的なbiomarkerの開発には至っていないのが現状である. 今回,我々は大腸癌補助化学療法において5-FU代謝関連酵素であるOrotate Phosphoribosyl Transferase (OPRT) , Dihydropyrimidine dehydrogenase (DPD)のbiomarkerとしての可能性について多施設共同前向きコホート研究を行ったので報告する.【対象】2003年7月~2005年5月にOPRT研究会参加14施設においてR0手術が行われた大腸癌68例.【方法】個々の症例における切除腫瘍組織中のOPRT,DPDの活性を測定,OPRT/DPD比を求めた.抗癌剤治療は5-FU/LV x 6回+5-FU内服2年間とし,エンドポイントは5 years disease free survival (5y-DFS), 5 years overall survival (5-OS)とした.対象をOPRT/DPD比高値群,低値群に分け5y-DFS, 5y-OS を比較検討した.5y-DFS, 5y-OS に対するOPRT/DPD比のcut off値はmaximum χ2検定を用い求めた.【結果】平均観察期間は1925日であった.OPRT活性の平均値は0.27 nmol/min/mg protein,DPD活性の平均値は 36.5 pmol/min/mg proteinであった. OPRT/DPD比の平均値は0.0136.であり5y-DFS, 5-OS に対するcut off値はそれぞれ0.0147, 0.0125, であった.OPRT/DPD比高値群は低値群に比べ5y-DFS, 5-OS双方において有意に予後良好であった(p=0.0280,0.0208).【考察】OPRT/DPD比は5-FU based adjuvant chemotherapyにおけるpredictive factorとなりえると思われた.またOPRT低値のため,OPRT/DPD比が低い症例にはFOLFOXを,DPD値が高値のためOPRT/DPD比が低い症例にはS-1を選択するなど,OPRT,DPDは個別化治療に応用でき得る有用なbiomarkerと考えられた.

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:臨床試験

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