演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

アミノ酸トランスポーターLAT1の臨床病理学的意義ならびに画像マーカーの開発

演題番号 : P84-13

[筆頭演者]
織内 昇:1 
[共同演者]
隈元 謙介:2、中村 泉:2、解良 恭一:3、富永 英之:4、竹之下 誠一:2

1:佐久総合病院 放射線科、2:福島県立医科大学、3:群馬大学医学部附属病院、4:群馬大学大学院医学系研究科

 

必須アミノ酸の細胞内への輸送は、大型の中性アミノ酸輸送体であるL-type amino acid transporter(LAT)のなかで腫瘍特異的なアイソフォームであるLAT1が担っている。LAT1の発現程度が、腫瘍の増殖や患者の予後と相関することを、いくつかの癌で明らかにしているが、大腸癌については不明である。LAT1はアミノ酸輸送の他、癌細胞の増殖シグナル伝達にも関与しており、LAT1の阻害は癌細胞の増殖を抑制するため治療の標的となり得る。我々は肺癌において、LAT1の発現が腫瘍の増殖や血管新生と相関し、その高発現は予後不良因子であることを明らかにした。LAT1の発現をその基質である3-[18F]fluoro-α-methyl-L-tyrosine(FAMT)を用いたポジトロンCT(PET)で評価できることを明らかにした。また膵癌や胆管癌でも同様に有用なデータを得ている。LAT1阻害による癌治療については、前述の癌細胞株を用いたin vitroの実験により、LAT1の阻害剤である2-aminobicyclo-(2,2,1)-heptane-2-carboxylic acidがアミノ酸取り込みを減少させ細胞増殖を抑制することを明らかにした。大腸癌の悪性度とLAT1の関連は明らかにされておらず、免疫組織染色など通常の臨床病理で評価可能な悪性度や予後のバイオマーカーとしての有用性の解明や、LAT1を標的とした分子標的治療のへの応用を目標として、医師主導の臨床研究を開始した。本研究では、大腸癌の切除標本を用いて免疫組織染色を行い、LAT1の発現を腫瘍の増殖ならびに血管新生のマーカーであるKi-67、VEGF、CD34、p53などと比較する。また術後の予後との相関を解析して、LAT1発現の臨床病理学的意義を解明する。それらの結果から、大腸癌におけるLAT1のバイオマーカーとしての有用性を明らかにする。またLAT1阻害による治療のサロゲートマーカーとしての可能性とFAMT-PETの応用についても考察する。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:バイオマーカー

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