演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

StageIV大腸癌におけるKRAS・BRAF遺伝子変異と遠隔転移様式の関連

演題番号 : P84-12

[筆頭演者]
中山 祐次郎:1 
[共同演者]
山口 達郎:1、中野 大輔:1、松本 寛:1、高橋 慶一:1

1:がん・感染症センター都立駒込病院 外科

 

(背景)大腸癌は本邦において年々患者数が増加し、2012年度の厚生労働省の人口動態統計における死亡率は男性で第3位、女性で第1位でありさらに増加が予測されている。薬物療法の進歩により治療成績は改善しているが、今後は予後改善と費用対効果を高めるため、個々の症例にあわせたテーラーメード治療の導入が喫緊の課題である。近年、遠隔転移を伴う進行大腸癌に対するKRASやBRAF遺伝子変異の有無による薬物療法の選択が普及してきたが、これらの遺伝子変異と大腸癌の臨床腫瘍学的特徴についての関連はいまだ不明な点が多い。そこで今回我々は、当院における孤発性大腸癌のKRAS/BRAF遺伝子変異の有無と遠隔転移様式の関連について調べたため報告する。(対象と方法)2008年1月から2011年9月までに、がん・感染症センター都立駒込病院外科で大腸癌の手術を行われた症例のうち、術後診断がStageIV(大腸癌取扱規約第7版)であった連続した70例につき、後方視的に検討した。Lynch症候群及び家族性大腸腺腫症症例は除外した。遠隔転移様式は、肝・肺・骨・脳転移は「血行性転移」とし、リンパ節転移は「リンパ行性転移」とし、腹膜播種は「播種性転移」とした。またマイクロサテライト不安定性(Microsatellite instability)を全例で解析し、マイクロサテライト不安定性が安定(Microsatellite stable;MSS)の症例のみを対象とした。さらにKRASとBRAF遺伝子変異について解析し検討した。(結果)全例のうち、MSSは64例であった。この64例について、年齢の中央値は66歳(34-88歳)で、男性は39例、女性は25例であった。遺伝子変異についてKRAS mutation typeは19例、BRAF mutation typeは8例、KRAS・BRAFどちらもwild typeは37例であった。また転移様式については、全64例中「血行性転移」は41例、「リンパ行性転移」は6例、「播種性転移」は7例あった。「血行性転移」の41例のうち、14例がKRAS mutation type、2例がBRAF mutation typeで25例がKRAS・BRAFどちらもwild typeであった。(結論)今回の研究で、KRAS mutation typeとBRAF mutation typeの両群では、BRAF mutation typeではKRAS mutation typeと比べ血行性転移が少ない傾向にあった。今後更なる症例の集積が必要と考えられた。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:バイオマーカー

前へ戻る