演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

マイクロサテライト不安定性の大腸癌術後補助化学療法の有効性予測因子としての意義

演題番号 : P84-8

[筆頭演者]
小澤 平太:1 
[共同演者]
森谷 弘乃介:1、和田 治:1、藤田 伸:1、五十嵐 誠治:2、菅野 康吉:2、固武 健二郎:1

1:栃木県立がんセンター 外科、2:栃木県立がんセンター 病理診断科

 

【目的】Microsatellite Instability (MSI)のpStageII/III散発性大腸癌に対する術後補助化学療法の有効性を予測するバイオマーカーとしての臨床病理学的な意義を明らかにすること。【対象】2000年8月から2005年12月までの間に当センターで手術を施行したpStageII/III散発性大腸癌のうち本研究の同意を得た204例を対象とした。遺伝性大腸癌は除外した。【方法】切除標本の癌部DNAのPCRを行い11のマーカー(D2S123, D5S346, D17S250, BAT25, BAT26, hMSH3, hMSH6, BAX, TGFbRII, MBD4A(10), MBD4A(6))におけるMSIを検索した。MSIが1~3個までをMSI-L、4個以上をMSI-Hと判定しMSS/MSI-LとMSI-Hの2群間の生存率をpStage別に検討した。また、両群における術後補助化学療法の有無による生存率についても検討を行った。生存解析にはKaplan-Meier法を用い、ログランクテストでp<0.05を有意差ありと判定した。【結果】MSI-H:MSS/MSI-L=15:189,男性:女性=122:82,手術時年齢中央値63歳,右側結腸:左側結腸:直腸=61:75:68,pStageII: pStageIII=87:117,術後補助化学療法なし:あり=159:45。全例に対してR0切除を施行した。[5Y-OS(%)] MSI-H:MSI-L/MSS=86.7:76.7(p=0.2017),MSI-H/StageII:MSI-H/StageIII: MSI-L/MSS/StageII: MSI-L/MSS/StageIII=85.7:87.5:81.2:72.4,MSI-H/adjあり:MSI-H/adjなし:MSI-L/MSS/adjあり:MSI-L/MSS/adjなし=100.0:83.3:81.2:72.4(p=0.5581).【まとめ】MSI-H/StageIII群の5Y-OSはMSI-L/MSS/StageIIとほぼ同等であった。MSI-H群で補助化学療法を行わなかった群はMSI-L/MSS群で術後補助化学療法を行った群に比べて予後良好であったが有意差は得られなかったことから、MSIの術後補助化学療法の有効性を予測するバイオマーカーとしての意義は得られなかった。今後はさらに症例を集積し、大規模な前向き試験により明らかにしてゆく必要性がある。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:バイオマーカー

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