演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

5-FUによる小腸粘膜障害と血清DAO活性の動向、およびSDFの下痢予防効果に関する検討

演題番号 : P84-6

[筆頭演者]
福留 惟行:1 
[共同演者]
小林 道也:3、大庭 幸治:6、駄場中 研:2、岡本 健:3、並川 努:2、前田 広道:3、馬場 良子:4、熊谷 奈々:5、森本 景之:4、藤田 守:5、花崎 和弘:2

1:高知県立幡多けんみん病院 、2:高知大学医学部外科学講座外科1、3:高知大学医学部医療学講座医療管理学分野、4:産業医科大学医学部第2解剖学教室、5:中村学園大学栄養学部栄養科学科、6:北海道大学病院 高度先進医療支援センター

 

【はじめに】5-fluorouracil (5-FU)によって引き起こされる有害事象に消化管粘膜傷害がある。血清Diamine oxidase(DAO)活性は腸絨毛先端部の状態を反映しており、血清DAO活性値の上昇は小腸粘膜の成熟の指標となる。本実験では5-FUの経静脈的投与による下痢の発生頻度、組織学的な粘膜傷害の程度および血清DAO活性値を測定評価し、5-FUの経静脈的投与による小腸粘膜障害の客観的指標としての血清DAO活性値の有用性について検討した。また、5-FUに起因する下痢に対する水溶性食物繊維(SDF)の有効性を検討した。【実験方法】ラットを3群(Control群、5-FU群;5-FU単独投与、5-FU+SDF群;5-FUおよびSDF投与群)に分け、下痢の発生頻度と程度を観察した。Day5とDay8における血清DAO活性値および腸管の免疫組織学的、超微形態学的な変化を観察した。【結果】コントロール群では下痢の発生を認めなかった。5-FU群における下痢の発生頻度は5-FU+SDF群に比べ有意に高かった(91.7% vs. 50.0%, P=0.025)。Day5およびDay8における血清DAO活性はControl群と比較すると5-FU群、5-FU+SDF群共に有意に低下した。Day5における血清DAO活性値は5-FU群が5-FU+SDF群よりも有意に低値であったが(5.50±4.32 Unit/L vs. 8.25±5.34 Unit/L、P=0.004)、Day8においては差を認めなかった。免疫組織学的、超微形態学的観察では5-FU+SDF群において、より絨毛構造が保たれ早期の回復を認めた。【考察】血清DAO活性値の低下は5-FUの経静脈的投与による下痢の発生頻度や程度、組織学的な粘膜傷害の程度を反映することが示された。水溶性食物繊維の投与は、5-FU投与後の下痢発生の予防や治療法となる可能性が示された。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:バイオマーカー

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