演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

大腸癌根治切除後の予後因子としてのMGMTプロモーターメチル化

演題番号 : P84-3

[筆頭演者]
母里 淑子:1 
[共同演者]
永坂 岳司:1、楳田 祐三:1、稲田 涼:1、重安 邦俊:1、竹原 裕子:1、森川 達也:1、久保田 暢人:1、横道 直佑:1、吉田 一博:1、藤 智和:1、河合 毅:1、杭瀬 崇:1、貞森 裕:1、藤原 俊義:1

1:岡山大学

 

はじめに: KRASに代表されるバイオマーカーを使用した個別化治療により大腸癌治療は大きく進歩したが、このようなgeneticな変異だけでは多様ながんの形質を説明しきれない。がんの発生や発育進展に影響を与えるもう一つの異常として、遺伝子の転写・翻訳の調整をするepigeneticsの異常が挙げられ、その一つがDNAメチル化異常である。我々は700例の大腸癌DNAを抽出保存し、遺伝子変異はもちろん、DNAメチル化にも着目し大腸癌予後予測因子の探索を行っている。O6-methylguanine-DNA methyltransferase (MGMT)は、DNA修復酵素の1つであり、MGMTプロモーター領域の高メチル化によるepigenetic silencingは大腸癌発癌に関与している。今回我々はこのMGMTプロモーター高メチル化と大腸癌予後との関連を検証した。方法:255のStage II/III治癒切除例の凍結標本由来DNAを用いてMGMTメチル化解析、MSI、KRASBRAF変異の同定を行い、臨床病理学的所見との比較検討を行った。結果:MGMTメチル化は21%の大腸癌Stage II/IIIに認め、MGMTメチル化を伴わない群に比してDisease free survival (DFS)が有意に良好であった(Kaplan-Meier method, Wilcoxon test p=0.0233)。5年間の無再発生存率はMGMT非メチル化群で67%、メチル化群で82%であった。比例ハザード分析ではHR 0.4(95%CI = 0.2 - 0.9), p=0.0236でMGMTメチル化群の方が有意に良好であった。一方、Overall survivalでは統計学的な有意差は認めなかった。多変量解析においてもMGMTメチル化群は非メチル化群に比して有意に再発しにくいという結果であった。結語:Stage II/III治癒切除症例において、MGMTメチル化はpositive prognostic factorとなる可能性が示唆され、術後補助化学療法の適応や術後サーベイランスへの応用が期待される。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:バイオマーカー

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