演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

大腸癌におけるEGFR発現と抗EGFR抗体薬の有効性に関する検討

演題番号 : P84-2

[筆頭演者]
岡田 泰行:1 
[共同演者]
宮本 弘志:1、佐藤 桃子:1、郷司 敬洋:1、北村 晋志:1、六車 直樹:1、岡久 稔也:1、高山 哲治:1

1:徳島大院ヘルスバイオサイエンス研究部 消化器内科学

 

【目的】大腸癌では、しばしば上皮成長因子受容体(epidermal growth factor receptor:EGFR)が過剰発現し、自ら産生・分泌するTGF-alphaがEGFRに結合して細胞増殖をきたす(オートクライン)。そのため、EGFR下流のK-RAS遺伝子野生型の大腸癌には、抗EGFR抗体薬(cetuximabやpanitumumab)が有効であり、標準治療として用いられている。しかし、抗EGFR抗体薬の効果はK-RAS野生型大腸癌においてもまちまちであり、現在のところ効果を予測する適切なバイオマーカーは存在しない。そこで本研究では、まずK-RAS野生型大腸癌細胞を用いて抗EGFR抗体薬の抗腫瘍効果とEGFR発現との関係を調べるとともに、EGFR発現の経時的変化を検討した。次いで、抗EGFR抗体薬を投与した大腸癌症例を対象に、EGFR発現と有効性との関係を検討した。【対象と方法】(1)K-RAS野生型大腸癌細胞株6種類を用いて、抗EGFR抗体薬 cetuximabのin vitroにおける細胞増殖抑制効果を検討した。各細胞のEGFR数はフローサイトメトリーにより測定した。(2) cetuximabまたはpanitumumabを含む治療を行った切除不能進行再発大腸癌症例を対象に、治療前後のEGFR発現を免疫染色により評価して定量化し、有効性との関係を検討した。【結果】(1)6種類の大腸癌細胞は、いずれもcetuximabによる増殖抑制効果を認めたが、cetuximab処理前のEGFR数が多い細胞ほど高い抗腫瘍効果を認めた。また、cetuximab処理5日後のEGFR数はいずれも減少したが、その減少率の高い細胞ほど高い抗腫瘍効果を認めた。(2)EGFR発現の高い大腸癌症例ほどcetuximabやpanitumumabが高い有効性を示す傾向が示唆された。また、抗EGFR抗体薬治療後には大腸癌細胞におけるEGFR発現が低下しており、低下率の高い症例ほど高い有効性(early response)を示す傾向が認められた。【結論】K-RAS野生型大腸癌においては、EGFR発現が高いほど抗腫瘍効果も高いことが示された。また、抗EGFR抗体薬治療後にはEGFR発現は低下し、その低下率の高い症例ほど有効性が高いことが示唆された。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:バイオマーカー

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