演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

大腸癌患者における組織中IGFBP-3遺伝子発現の臨床的意義

演題番号 : P84-1

[筆頭演者]
山本 直人:1 
[共同演者]
大島 貴:1,2、赤池 信:3、塩澤 学:3、佐藤 勉:1、國崎 主税:2、吉川 貴己:1,3、湯川 寛夫:1、利野 靖:1、今田 敏夫:1、益田 宗孝:1

1:横浜市立大学 外科治療学、2:横浜市立大学 消化器病センター、3:神奈川県立がんセンター 消化器外科

 

【背景と目的】血清中のInsulin-like growth factor (IGF)-1 はその調節因子であるInsulin-like growth factor binding protein (IGFBP)-3などのIGFファミリーが大腸癌をはじめとする種々の発癌リスクと相関することが知られているが、腫瘍組織内での各因子の発現状態の臨床的意義は明らかではないため、われわれは大腸癌患者おける大腸癌組織中IGFファミリー遺伝子発現の臨床的意義を明らかにする目的で検討を行った。【対象と方法】対象は外科手術を施行された前治療歴のない大腸癌症例202例。大腸癌組織よりmRNAを抽出し、RT反応にてcDNAを作成。定量PCR法にてIGF-1, IGF-2, IGF-1R, IGFBP-3の相対的発現量を測定し、各臨床病理学的因子および予後との関係を検討した。【結果】IGF-1およびIGF-2は結腸癌より直腸癌で有意に高発現例が多かった(P=0.048, P=0.048)。IGF-2高発現群とIGFBP-3高発現群はともに有意に腫瘍径が大きかった(P=0.047, P=0.023)。IGFBP-3高発現群はリンパ節転移の頻度が有意に高く(P=0.035)、より深達度が深い傾向が認められた(P=0.050)。各遺伝子発現と肝転移や脈管侵襲、組織型に有意な差は見られなかった。累積5年生存率はIGFBP-3低発現群の87.7%に対し高発現群では70.1%で有意に予後不良であった(P=0.005、Log rank)。Cox比例ハザードモデルによる多変量解析ではIGFBP-3高発現は独立した予後不良因子(ハザード比=2.181, 95%CI: 1.155 - 4.120, P=0.016)であった。【結論】大腸癌患者おいて大腸癌組織のIGFBP-3遺伝子の高発現は予後予測因子として有用であることが示唆された。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:バイオマーカー

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