演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

高齢者における食道胃接合部腺癌の臨床病理学的検討

演題番号 : P82-5

[筆頭演者]
岩槻 政晃:1 
[共同演者]
田中 秀幸:1、渡邊 雅之:2、小川 克大:1、古橋 聡:1、杉山 眞一:1、井上 耕太郎:1、緒方 健一:1、土居 浩一:1、岩上 志郎:2、馬場 秀夫:2、高森 啓史:1

1:済生会熊本病院 外科、2:熊本大学大学院 消化器外科学

 

【背景と目的】本邦において食道胃接合部癌はその頻度は増加しているものの、外科的治療におけるアプローチ法、術式、至適郭清範囲はいまだ明らかにされていない。また高齢化とともに高齢者へも食道胃接合部癌に対して積極的に手術を行う機会が増加しており、今後、高齢者における食道胃接合部癌の取り扱いは臨床的に重要な課題となる。本研究では、高齢者における食道胃接合部腺癌の特徴を明らかにし、リンパ節転移や再発形式から至適な術式とリンパ節郭清範囲を検討する。【方法】2001年1月から2010年12までに、食道胃接合部の上下20mm以内に中心を有し、最大腫瘍径が40mm以下の腫瘍に対し、根治手術(R0)を行った27症例のうち組織学的に腺癌と診断された24症例を対象とした。75歳以上を高齢者(H群:7例, 中央値78 (75-94)歳))と定義し、食道胃接合部腺癌の臨床病理学的特徴、再発および予後について、75歳未満の非高齢者(N群:17例, 中央値69 (44-74)歳)と比較検討した。【結果】患者背景として性別、自覚症状の有無は両群に有意差を認めなかったが、併存疾患はH群に有意に多く認めた。手術因子では、術式はH群で食道亜全摘1例、胃全摘3例、噴門側胃切除3例、N群で食道亜全摘2例、胃全摘5例、噴門側胃切除10例で有意差は認めなかった。リンパ節郭清範囲もH群でD1+4例、D2以上3例、N群でD1+ 7例、D2以上10例で両群間に有意差は認めず、郭清リンパ節個数も有意差を認めなかった。腫瘍因子は筋層以深浸潤を伴う症例がH群に有意に多く認めたが、脈管浸潤の有無とリンパ節転移の有無は両群間で有意差を認めなかった。全例でNo. 4, No. 5, No. 6への転移は認めなかった。さらにH群では全例が無再発生存を得られており、N群では血行性転移を2例認めたが、両群ともにリンパ節再発は認めなかった。【結論】高齢者においては、全身状態や併存疾患を考慮したうえで、進行度に応じた非高齢者と同様の術式、リンパ節郭清範囲を検討することが望まれる。食道胃接合部腺癌においては、リンパ節転移はNo. 4, No. 5, No. 6に転移は認められず、リンパ節再発も見られなかったことから腫瘍学的観点からは噴門側胃切除術も選択肢の一つとなりうる。

キーワード

臓器別:胃・十二指腸

手法別:手術療法

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