演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

胃癌術後に異時性孤立性両側副腎転移をきたした一例

演題番号 : P82-2

[筆頭演者]
横田 和子:1 
[共同演者]
瀧川 穣:1、平田 玲:1、松田 圭央:1、尾之内 誠基:1、戸倉 英之:1、平畑 忍:1、高橋 孝行:1、藤崎 真人:1、清水 和彦:2

1:足利赤十字病院 外科、2:足利赤十字病院 検査部

 

症例は74歳男性。69歳時に心窩部痛・体重減少の精査で幽門部大弯に胃癌を指摘され、幽門側胃切除+D2郭清+R-Y再建術を施行された。病理学的検索ではL、Type2、por、pSS、ly1、v1、pN1(#6、1/23)、fStage2Bであった。術後に補助化学療法としてTS-1の内服を行ったが、約9ヶ月間で本人の希望により中止された。71歳時(胃癌術後約2年)に右副腎腫瘍を指摘され、右副腎摘出術を施行し胃癌の右副腎転移と診断された。72歳時(胃癌術後約3年6ヶ月)には右腎周囲脂肪織への転移を指摘され、右腎摘出術を施行した。病理学的に胃癌の転移であった。右腎摘出後TS-1の内服を再開していたが、74歳時、初回手術より約5年後、CTにて左副腎に20mm大の結節影を認めた。PET-CTにて同部位にFDGの集積を認め、左副腎転移が疑われた。2ヵ月後のCTでは30x20mm大に増大を認め、CT上では他に転移を疑う所見はなく、手術の方針となった。左肋骨弓下切開で開腹した。膵体尾部・脾臓を脱転し、左副腎腫瘍を確認した。副腎動静脈を処理し副腎腫瘍を摘出した。腫瘍は長径47mm大であり、割面は充実性・黄白色調で、病理学的には大型の異型細胞が充実性に索状構造を示しながら増殖・浸潤しており、既往の胃癌の腫瘍組織と類似し、胃癌副腎転移と診断された。両側の副腎摘出となったためステロイドカバーを行い、術後特に問題なく退院した。副腎は血流の豊富な臓器であり、悪性腫瘍の副腎転移の比較的多い臓器で、全悪性腫瘍剖検例の約15%に認めるとされている。しかし全身に転移をしている場合が多く、副腎のみに転移を認める症例は全悪性腫瘍剖検例の約1.8%で胃癌では約0.6%と非常に少ない。よって胃癌副腎転移に対して手術を施行された症例はかなり稀である。一方副腎転移のみを認めた場合に手術を施行し、長期生存した報告例もある。今回、胃癌術後に異時性の孤立性両側副腎転移を認め手術を施行した症例を経験したため、文献的考察を含め報告する。

キーワード

臓器別:胃・十二指腸

手法別:手術療法

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