一般演題(示説)
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HER2 statusおよびトラスツズマブ治療が進行再発胃癌の予後に与える影響 演題番号 : P81-13
1:国立大阪医療セ 外科、2:大阪府立急性期・総合医療セ 外科、3:大阪府立急性期・総合医療セ 病理科
【緒言】胃癌治療ガイドライン2011年7月速報版にて、切除不能な進行再発胃癌に対しては、化学療法選択前にHER2検査を実施することが推奨されるようになった。また、HER2陽性胃癌に対してトラスツズマブを含む化学療法が新たな標準治療となることが示された。今回我々は切除不能進行再発胃癌においてHER2 statusおよびトラスツズマブ治療が予後に与える影響をretrospectiveに検討したので報告する。【方法】対象は化学療法を施行した進行再発胃癌で、HER2検査を実施した 153例。R1切除後症例や化学療法後切除しえた症例(conversion surgery例)は除外した。年齢は 35-94 (中央値 70)歳。性別は男性 102例、女性 51例。初発 110例、再発 43例。HER2陽性はIHC3+またはIHC2+かつFISH+とした。トラスツズマブを含む化学療法を施行したのは 16例で、一次治療開始 7例、二次治療以降開始 9例であった。生存成績はLog-rank testにて検定し、Cox比例ハザードモデルを用いてハザードを算出した。【結果】153例中 25例(16.3%)でHER2陽性であった。HER2陽性例(MST 555日)の予後はHER2陰性例(MST 559日)とほぼ同等であった(p=0.7354, HR 1.108, 95%CI 0.611-2.008)。HER2陽性でトラスツズマブ施行例(MST 1090日)の予後はトラスツズマブ非施行例(MST 275日)に比し予後良好であった(p=0.01, HR 0.234, 95%CI 0.070-0.782)。また、HER2陽性でトラスツズマブ施行例の予後は有意差ではないもののHER2陰性例に比し予後良好な傾向にあった(p=0.0816, HR 0.454,95%CI 0.183-1.130)。【結語】少数例のretrospectiveな検討ではあるが、HER2陽性例の予後はHER2陰性例とほぼ同等であり、HER2陽性トラスツズマブ施行例の予後は良好であった。今後は施設でのさらなる症例集積を行うとともに、多施設前向き試験の予後解析結果が待たれる。
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