演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

当科におけるHER2陽性進行再発胃癌に対するトラスツズマブ併用化学療法の工夫

演題番号 : P81-12

[筆頭演者]
川田 康誠:1 
[共同演者]
小林 広典:1、久保田 竜生:1、外山 栄一郎:1、大原 千年:1

1:熊本再春荘病院 外科

 

[はじめに]HER2陽性の切除不能な進行再発胃癌の治療に関するTOGA試験の結果を受けて、胃癌治療ガイドラインの速報版では5FUまたはカペシタビン+シスプラチン+トラスツズマブ併用療法が標準治療として推奨されている。しかし、シスプラチン併用化学療法は、有害事象の問題などで使用が困難な場合もある。[対象]当科にてトラスツズマブ併用化学療療法を施行した進行再発胃癌の患者5例。性別は男性3例、女性2例。年齢は62―80歳(平均73歳)であった。腹膜播種再発が2例、治癒切除不能例が3例であった。治癒切除不能3例のうち1例は原発巣が切除できず、腹膜播種も認めた。他の2例の非治癒因子は、1例が腹膜播種で、もう1例は大動脈周囲リンパ節転移であった。[結果]治療レジメンは3例がカペシタビン+シスプラチン+トラスツズマブであったが、いずれも有害事象などの問題で、2クール以内でシスプラチンのみ中止し、カペシタビン+トラスツズマブの2剤で治療を継続した。シスプラチンを中止してからは有害事象なく外来での治療を継続できた。他の1例は当初からカペシタビン+トラスツズマブの2剤で治療を行い、もう1例はTS-1+トラスツズマブであった。当初からシスプラチンを併用しなかった2例はいずれも腎機能障害を認める症例であった。1例は腎機能悪化により透析導入となり、もう一例は心不全の悪化のため化学療法が中止となった。治療効果はPRが1例、SDが3例、PDが1例と病勢コントロールは概ね良好であった。経過については無増悪生存期間が5―14ヶ月(平均9.8ヶ月)で、全生存期間は5―16ヶ月(平均11.6ヶ月)であった。いずれの症例も現在生存中であり、観察期間は全生存期間に一致する。[まとめ]HER2陽性患者に対するトラスツズマブ併用化学療法を5例行ったが、シスプラチンを含む化学療法に対して忍容性の低い症例の場合、化学療法を中止するのではなく、シスプラチンを外したトラスツズマブ併用化学療法を継続することで、QOLを保ちつつ、概ね良好な病勢コントロールを得ることができた。

キーワード

臓器別:胃・十二指腸

手法別:化学療法

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