演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

Stage II, III胸部食道癌に対する術前DCF療法の安全性と短期成績の検討

演題番号 : P8-5

[筆頭演者]
番場 竹生:1 
[共同演者]
中川 悟:1、藪崎 裕:1、會澤 雅樹:1、金子 耕司:1、神林 智寿子:1、松木 淳:1、丸山 聡:1、野村 達也:1、瀧井 康公:1、佐藤 信昭:1、土屋 嘉昭:1、梨本 篤:1

1:新潟県立がんセンター新潟病院 外科

 

【背景】切除可能なStage II-III胸部食道癌に対してはCDDPと5-FUによる術前化学療法後の根治手術が推奨されているが,進行症例の術後再発率が依然として高いことが問題となっている.前述の2剤にdocetaxel(DOC)を加えたDCF療法は,生存率の更なる向上を目指した術前治療として期待されている.【目的】当院における術前DCF療法の効果と安全性および術後短期成績を検討する.【対象と方法】対象は胸部食道癌13症例で,患者背景は男性/女性が11/2例,年齢中央値60歳(54-68歳),腫瘍局在はUt/Mt/Ltが3/7/3例,全例が扁平上皮癌,臨床病期T3N0M0/T3N1M0/T3N2M0が2/5/6例,cStage II/IIIが2/11例であった.化学療法はDOC(70mg/m2,day 1),CDDP(70mg/m2,day 1),5-FU(700mg/mm2,day 1-5)を,day 1から28日間の間隔で2または3コース施行した.【結果】原発巣の臨床的治療効果はIR/SDが11例,PDが2例であり,リンパ節転移が計測可能な9例の治療効果はPRが8例,SDが1例であった.Grade 3(CTCAEv4.0)以上の有害事象として白血球減少/好中球減少を9例(69.2%),発熱性好中球減少症を3例(23.1%),嘔気/食欲不振を8例(61.5%),下痢を3例(23.1%)に認めた.12例で予定治療(10例は2コース,2例は3コース)を完遂した(完遂率92.3%).1例は有害事象と狭窄症状悪化のため1コースで終了した.4例で2コース目以降に投与量の減量を行った.DCF療法終了日から中央値35日(27-49日)経過後に手術を施行した.手術は右開胸食道切除術を10例,胸腔鏡下食道切除術を3例に施行し,手術時間は中央値460分(380-715分),術中出血量は中央値340ml(60-840ml)であった.手術根治度はR0/R1/R2が11/1/1例であった.組織学的化学療法効果はGrade 1a/1b/2/3が7/2/3/1例であり, 最終病期はStage 0/I/II/III/IVaが1/0/3/8/1例であった.術後合併症は8例(61.5%)に認めたが,再手術や手術関連死亡例はなく,術後在院期間は中央値18日(13-31日)であった.術後観察期間中央値141日の時点で,無再発生存/遺残あり生存/原病死/他病死が10/1/1/1例であった.【まとめ】術前DCF療法の臨床的奏功率は高く,組織学的にも46%にGrade 1b以上の効果を認めた.Grade 3以上の有害事象,特に血液毒性が高頻度に認められたが,治療完遂率は高く維持可能であり,術後短期成績に与える影響も少ないと考えられた.今後は長期成績も考慮した上で,術前治療としての有用性を更に検討する必要がある.

キーワード

臓器別:食道

手法別:集学的治療

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