演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

化学療法により瘻孔閉鎖をみとめたT4食道癌の一例

演題番号 : P8-3

[筆頭演者]
工藤 健司:1 
[共同演者]
成宮 孝祐:1、太田 正穂:1、大杉 治司:1、山本 雅一:1

1:東京女子医科大学消化器外科

 

【はじめに】食道癌T4症例は一般的に化学放射線療法(以下CRT)が適応となるが、瘻孔が存在するケースでは縦隔炎や気管瘻などの致死的合併症の発生が危惧され、臨床ではCRTは施行しがたいのが現状である。今回我々は瘻孔を形成したT4食道癌に対しDCF療法が著効し、外科切除の後にCRTを施行し無再発生存されている症例を経験したので報告する。【症例】症例は68歳女性で、通過障害を主訴に2012年2月末に近医にて食道癌を指摘されCRT施行の予定であったがセカンドオピニオンとして2012年4月に当科紹介となった。病変は上切歯25-32cm・右壁中心の2型進行癌で、潰瘍は非常に深く存在していた。食道造影検査では瘻孔が造影され、造影CT検査では明らかなリンパ節転移を認めず、同部に一致したごく小さな気腫像を認めた。また気管浸潤も強く疑われたが、食道気管瘻は認めなかった。以上からcT4N2M0, StageIVaの診断となった。【経過】瘻孔が存在することから、縦隔炎や気管瘻などを懸念し、CRTではなく、DCF療法(Docetaxel:70mg/m2day1、Cisplatin:70mg/m2day1、5-fluorouracil:700mg/m2day1-5)を施行した。瘻孔は1コース終了時に縮小し、2コース終了後は消失していた。治療効果はPRであり、2012年7月に右開胸開腹食道亜全摘胸骨後経路胃管再建術を施行した。病理組織学的診断はpT4,N2(#7),M0, StageIVa、組織学的奏功度はGrade1b、剥離断端は右主気管支で陽性(R2) であった。その後2012年8月から癌遺残部に対しに対しCRTを施行した(Total : 59.4Gy / Cisplatin : 80mg/m2day1, 29 ・5-fluorouracil : 800mg/m2day1-4, 29-32 )。その後、良好に経過し、治療開始から13か月経過したが無再発生存中である。【まとめ】癌による瘻孔を形成したT4食道癌に対しDCF療法施行にて瘻孔が閉鎖し、外科切除の後に剥離断端陽性部への追加治療としてCRTを施行後に無再発生存されている症例を経験した。

キーワード

臓器別:食道

手法別:集学的治療

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