演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

食道癌原発巣に対する姑息的放射線療法の検討

演題番号 : P8-2

[筆頭演者]
竹下 宏樹:1 
[共同演者]
佐藤 弘:1、春田 泰宏:1、高瀬 健一郎:1、鷲尾 真理愛:1、藤森 喜毅:1、岡 伸一:1、桜本 信一:1、小山 勇:1

1:埼玉医科大学国際医療センター 消化器外科

 

【目的】根治手術が不可能である食道癌患者に対しては、通常、(放射線)化学療法による全身治療が行われる。しかしながら、癌や高齢に伴うPSの低下などの理由で、初回治療時から抗癌治療を行わず緩和療法を選択する症例もしばしば認められる。一方で、進行食道癌は、狭窄に伴う経口摂取の低下といったQOLの低下をもたらすため、何らかの姑息治療を考慮する必要がある。食道癌診断治療ガイドライン(2012年4月版)では、嚥下困難の改善に原発巣への照射が有用であるとの報告であるが、わが国ではほとんど行われていないとある。今回、食道癌原発巣に対する姑息的放射線療法について検討した。【対象】当院にて、2012年4月から2013年3月までの1年間に食道癌原発巣に対し、姑息的放射線療法を施行した16例を対象とした。いずれも、PSの低下や重大な基礎疾患、気管・大動脈浸潤のため、手術や抗癌剤による治療の適応なしと診断または拒否した症例であった。年齢は70歳から81歳(平均年齢71.2歳)、臨床病期はStageII:3例、III:4例、IVa:4例、IVb:5例(食道癌取扱い規約第10版)で、8例が固形物の摂食が不可能であった。【結果】照射量は30Gy-60Gy、照射部位は食道癌原発巣および食道傍リンパ節とした。1例は反回神経リンパ節転移の増悪により気管切開処置を施行したが、いずれの症例もGrade2以上の合併症を認めず、予定していた放射線療法を完遂出来た。標的病変の治療効果判定はPD:1例、NE:1例、SD:6例、PR:8例であった。照射量、腫瘍の大きさ、病期や術前の栄養状態などと治療効果には相関を認めなかった。狭窄の改善により、治療前に固形物の摂食が不可能であった8例のうち2例で経口摂取が改善し、また1例で完全中心静脈栄養から経口栄養に移行できた。一方で、CT上はSDまたはPRであった症例であっても、放射線療法による狭窄の増悪や潰瘍を5例で認め、2例では治療前より経口摂取の状態が悪化した。【総括】手術や抗癌剤治療が施行不可能なほどPSが低下した症例であっても食道癌原発巣に対する姑息的放射線療法は安全に施行可能であり88%の症例で原発巣の進行を抑えることが可能であった。また狭窄の改善により、経口摂取が可能になりQOLの改善が可能である症例も認めた。一方で、放射線照射による狭窄の増悪や潰瘍を発症する症例も認めており、QOLの改善が可能になる症例の選択には更なる検討が必要であると考えられた。

キーワード

臓器別:食道

手法別:放射線治療

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