演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

多職種医療専門職で構成するチームで取り組む食道癌周術期リハビリテーション

演題番号 : P79-12

[筆頭演者]
石田 尚正:1 
[共同演者]
高岡 宗徳:1、山辻 知樹:1、繁光 薫:1、平林 葉子:1、林 次郎:1、深澤 拓也:1、浦上 淳:1、吉田 和弘:1、中島 一毅:1、森田 一郎:1、羽井佐 実:1、猶本 良夫:1

1:川崎医科大学 総合外科学

 

高度侵襲を伴う食道癌手術症例では、しばしば長期臥床に伴うADL低下を来しやすい。また、疾患背景として関連性の高い喫煙による術前からの呼吸機能障害や、反回神経周囲のリンパ節郭清を伴う手術手技の特性から、術後長期の呼吸管理や嚥下発声機能の低下を伴いやすく、術後QOLの著しい低下に陥りやすい。術後合併症を最小限とし、術後QOLの早期回復を目指すために、術前より積極的なリハビリテーション(以下リハビリ)の介入が重要と考える。当院では2011年より食道癌手術症例の増加に伴い、チーム医療による安全な周術期管理を本格的に開始、実践している。以下に食道癌周術期リハビリの取り組みについて論じる。まず、外科外来に食道癌患者が紹介あるいは初診にて来院し、手術方針が決定すると、リハビリ科医師へ連絡・指示の下、リハビリスタッフによる禁煙指導を含むオリエンテーションと術前呼吸リハビリが導入される。食道癌による通過障害に起因する栄養及びADLの低下に対しては、経腸栄養による栄養改善と共に運動療法も導入し、術前の可及的ADL改善を目指す。食道手術直後は呼吸サポートチームとの協働下に全身状態に合わせた術後呼吸リハビリ及び離床リハビリを開始し、気管内挿管抜管後は耳鼻咽喉科医師と共に声帯機能評価を行い、反回神経麻痺が懸念される場合には、言語聴覚士に介入を依頼し、発声・嚥下のリハビリを開始する。嚥下機能はリハビリ科医師立会いの下、嚥下造影にて機能評価を逐次施行し、嚥下機能に合わせた食事形態を管理栄養士と共に策定し、言語聴覚士の指導下に経口摂取を再開・増量する。運動療法は理学療法士とマンツーマンで歩行距離の延長と運動負荷の漸増を行い、四肢体幹の筋力向上を目指す。これらのリハビリは退院時まで継続して行われるが、自宅退院が困難と評価されるケースでは、MSW介入により同等のリハビリが可能な後方支援病院へ転院し、自宅での自立生活が営めることを最終目標としてリハビリを継続する。以上のように、術前からの積極的なリハビリ介入により、年齢や全身状態の良し悪しにとらわれず、根治手術可能な食道癌症例については可能な限り根治性と術後QOL維持の双方を満足する治療を目指し、各種医療専門職の特性を生かしたチーム医療の構築を形成している。このチーム医療活動は食道癌周術期に留まらず、当院で取り扱う手術症例・集中治療症例全てに適応している。

キーワード

臓器別:食道

手法別:リハビリテーション

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