演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

食道癌術前化学療法におけるONSを用いた栄養マネージメント

演題番号 : P79-10

[筆頭演者]
岩崎 謙一:1,2 
[共同演者]
尾形 高士:2、白井 順也:2、藤川 寛人:2、幕内 洋介:2、長 晴彦:2、吉川 貴己:2、立花 慎吾:3、逢坂 由昭:3、島津 元秀:1、土田 明彦:3

1:東京医科大学八王子医療センター 、2:神奈川県立がんセンター、3:東京医科大学外科学第三講座

 

【はじめに】JCOG9907試験は、cStageII、III食道癌に対する5FUおよびシスプラチンによる術前化学療法(NAC)の有効性を明らかにし、現在の標準治療となっている。一方、体重減少や通過障害などの症状を伴う進行食道癌に対するNACは、医原性の栄養障害を引き起こし治療への耐用性の低下やその後の手術への悪影響を与える可能性がある。今回われわれはnutritional support team(NST)とともに、栄養マネージメントがNAC施行中の患者に及ぼす影響やNACの安全性について検討し報告する。【対象と方法】NACは5FU:800mg/m2day1-5およびシスプラチン:80mg/m2day1を3週間隔で原則2コース施行。各コース開始時にはMUST調査および採血を行い栄養状態の評価をし、体重減少や通過障害を認める症例に対しては積極的にOral nutritional supplements(ONS)による栄養介入を行った。2011年1月から2012年8月まで当センターにおいてcStageII、IIIの手術可能な食道癌に対しNACを施行した31例を対象とし、Malnutrition Universal Universal Screening Tool(MUST)、血液生化学検査値の推移、栄養介入の結果とその影響について検討した。【結果】NAC施行した31例の初診時のMUSTはA(low-risk)が14例、B(medium-risk)が5例、C(high-risk)が12例。また、初診時の平均血清Alb値、CRP値、Pre-Alb値、レチノール結合蛋白値はそれぞれ4.29g/dl、0.46g/dl、23.5mg/dl、3.02mg/dlであった。NAC施行中にONSによる栄養介入を行ったのは15例であり、このうちMUSTの改善を認めたのが6例、維持・不変だったのが、7例であった。全31例のうち24例(77.4%)がNAC2コース完遂した。NAC施行後のMUSTはAが16例、Bが5例、Cが10例であった。6例がMUSTの改善を認め、4例が低下、21例が維持・不変であった。NAC施行後の血清Alb値、CRP値、Pre-Alb値、レチノール結合蛋白値の平均はそれぞれ4.05g/dl、0.58g/dl、22.4mg/dl、3.01mg/dlであった。また、NAC施行した全31例が安全に手術施行、術後在院日数の中央値は15日であった。【結語】手術侵襲の大きい食道癌手術のNACを安全に施行する上で簡便かつ客観的に栄養評価を行うことは重要であり、栄養状態の悪いケースにおいてONSを用いることで栄養状態を悪化させることなく、安全に手術を施行し得ると考えられた。

キーワード

臓器別:食道

手法別:チーム医療

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