演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

胸部食道癌に対する食道バイパス手術の意義

演題番号 : P79-7

[筆頭演者]
佐藤 弘:1 
[共同演者]
春田 泰宏:1、高瀬 健一郎:1、竹下 宏樹:1、藤森 善毅:1、渡邊 幸博:1、岡 伸一:1、桜本 信一:1、小山 勇:1

1:埼玉医大国際医療センター 消化器外科

 

【はじめに】食道バイパス手術は,原発巣は切除せず,胸壁前経路あるいは胸骨後経路で主として胃管を用いて消化管再建を行い,経口摂取の改善を期待する術式である.高度の狭窄を伴う進行胸部食道癌に対する根治的化学放射線療法(CRT)や食道ステントの進歩に伴い,食道バイパス手術を施行する頻度は少ないと考えられる.しかしながら本術式が有効と考えられる症例も経験し,その意義は以前と比し変化していると考えられる.【目的】胸部食道癌に対する食道バイパス手術の適応,施行時期,結果を検討し,その意義を明らかにすること【対象と方法】食道バイパス手術を施行した10例を対象とし,施行理由,施行時期,術式,合併症,術後の経口摂取,生存期間をretrospectiveに検討し,本術式の意義を明らかにした.手術の適応は耐術可能で,狭窄が解除できれば経口摂取が期待できる症例とした.【結果】施行理由は,CRT後の完全寛解(CR)後の狭窄2例,部分寛解(PR)後の狭窄5例,放射線療法(RT)後の部分寛解(PR)後の狭窄1例,食道ステント不成功1例.原発巣切除不可能のため試験開胸後1例.施行時期はCRT後1例,CRT後の追加化学療法後6例,化学療法後1例,RT後1例.試験開胸時1例.術式は全例胃管再建の頚部吻合.胸壁前再建1例,胸骨後再建9例.在院死亡3例(放射線肺臓炎,癌死,胸水貯留各1例),縫合不全を8例に認めたが,いずれも保存的に軽快.術後に経口のみで必要栄養量を摂取出来たのが4例であり,CRT後のCR例2例,PR例1例,試験開胸例1例.CRT後に繰り返し化学療法を施行した6例中5例は,経口摂取の改善に乏しかった.CRT後のCR例2例が術後6か月,14か月無再発生存中.原病死5例は平均4か月生存(術後2-7か月)【結論】縫合不全に対する対策が必要.CRT後のCR症例における経口摂取改善目的は,本術式のよい適応と考えられる.追加化学療法などにより体力が消耗し,また癌が遺残し癌悪液質の状態と考えられる症例では,狭窄は解除されても経口摂取改善には寄与せず,適応の再考が必要.

キーワード

臓器別:食道

手法別:手術療法

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