演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

食道癌手術における術後合併症と高ビリルビン血症の関係についての検討

演題番号 : P79-6

[筆頭演者]
武居 友子:1 
[共同演者]
竹内 裕也:1、中村 理恵子:1、高橋 常浩:1、和田 則仁:1、川久保 博文:1、才川 義朗:1、大森 泰:1、北川 雄光:1

1:慶應義塾大学 一般・消化器外科

 

【背景】食道癌術後高ビリルビン血症の発生頻度は30~60%と報告されているが, その原因については一定の見解が得られていない. サイトカインの産生, 門脈血流の低下, 高カロリー輸液, 輸血などが原因として挙げられ, 複数の要因が関与すると考えられる. なかでも術後合併症発生症例で有意にビリルビンが上昇するとの報告があり, 今回, 当院における術後合併症と高ビリルビン血症の関係につき検討した. 【対象と方法】2010年1月から2013年3月に当院で施行された, 開胸開腹手術(胸腔鏡併用、腹腔鏡併用を含む)による食道切除術症例120例(薬剤性肝障害を合併した2例は除外)を対象として, 術後合併症, 肺炎, 縫合不全と高ビリルビン血症の関係を検討した. 尚、全症例で術前2日から術後3日目までステロイド(hydrocortisone 200mg/day)を投与した.【結果】 術後総ビリルビン値の上昇を認めた症例は114例(95%), 術後の総ビリルビン最高値は平均で1.78mg/dlであり, 術後平均5.1日で最高値を示した. 間接ビリルビン最高値は0.19mg/dlであり、直接ビリルビン優位の上昇であった.術後に総ビリルビンが正常値の上限である1.4mg/dl以上となった症例は60例(50%), 総ビリルビン値が2mg/dl以上の高ビリルビン血症を認めた症例は40例(33%)であった. 術後合併症は70例(軽微な反回神経麻痺やリンパ瘻などを含む)に発生し, 肺炎30例, 縫合不全23例であった. 総ビリルビン最高値の平均は, 合併症が発生しなかった群の1.42mg/dlと比較して, 全合併症群2.05mg/dl, 肺炎群2.27mg/dl, 縫合不全群1.82mg/dlと有意に高値であった(p<0.05).【結論】食道癌術後は, ほとんど症例で直接ビリルビン優位の一過性高ビリルビン血症を認めた. また, 合併症症例では術後ビリルビン値が上昇する傾向を認め, 術後高ビリルビン血症の出現時は合併症の可能性を念頭に術後管理を行う必要があると思われる.

キーワード

臓器別:食道

手法別:手術療法

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