演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

胸腔鏡下食道切除術の成績と術前化学療法の効果

演題番号 : P79-4

[筆頭演者]
渡部 雅人:1 
[共同演者]
末原 伸泰:1、古賀 健一郎:1、斎村 道代:1、亀田 千津:1、中野 徹:1

1:北九州市立医療センター 外科

 

[背景]食道癌は予後不良な疾患で、食道癌診断・治療ガイドライン2012年4月版によると食道切除後の5年生存率は44.1%で、病期別ではStage1 74.4%、Stage2 49.5%、Stage3 30.7%である。当科では切除可能な胸部・腹部食道癌に対し2007年10月より胸腔鏡・腹腔鏡下食道切除胃管再建術を第1選択とし精緻なリンパ節廓清と低侵襲な手術を心掛けてきた。また2009年1月より腹臥位胸腔鏡下食道切除術を導入しJCOG9907の結果に基づいてStage2、3食道癌には術前化学療法(CDDP 80mg/m2 day1 + 5-FU 800mg/m2 day1-5)を原則行うことにした。[対象と方法]2007年10月より2012年12月までに施行した胸腔鏡下食道切除術100例を対象にした。手術短期成績と長期予後を評価した。[結果]患者平均年齢は64 (44-86)歳、男女比は84:16、進行度はStage0/1/2/3/4a:13/28/30/25/4例、組織型は扁平上皮癌/腺癌/その他:88/5/7例だった。胸部平均手術時間は260分、出血量は78g、胸部廓清リンパ節は19.4個だった。合併症は声帯麻痺を31%認め7割が左側だったが一過性に軽快した。肺炎を12%認め保存的に軽快した。人工呼吸器離脱中央値は術後1日目、嚥下食開始は4日目、胸腔ドレーン抜去は6日目、術後在院日数は15日目だった。胃管気管支瘻による術後在院死亡を1例認めた。長期予後は5年生存率62.5%、病期別ではStage1 100%、Stage2 68.3%、Stage3 30.8% だった。Stage3の術前化学療法施行9例の3年生存率は31.1%、手術先行16例は28.2%で有意差はなかった。[考察]食道癌は60代男性に多く扁平上皮癌が大半を占めることは当科の手術例においても同様であった。胸腔鏡下食道切除術は手術時間がやや長くなるが出血量は少なく、合併症も許容範囲で回復も早い傾向にある。長期予後も全国統計より良好で手術の質は高いと思われる。しかしStage3の予後は同等であったため術前化学療法の効果を検討するため比較してみたが、術前化学療法施行例が少なく摂食障害等のため手術を先行した症例との有意差は認めなかった。今後は積極的に術前化学療法を行いStage3症例の予後向上を図りたいと考えている。

キーワード

臓器別:食道

手法別:内視鏡手術

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