演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

一期的切除後5年無再発生存中のStageIVb食道癌の1例

演題番号 : P79-3

[筆頭演者]
石田 誠:1 
[共同演者]
小畑 真介:2、戸川 保:2、藤田 邦博:2、田畑 信輔:2、木村 俊久:2

1:公立丹南病院 外科、2:国立病院機構福井病院

 

【はじめに】大腸癌肝転移に対する外科的切除は広く推奨されており根治が期待できるが,食道癌の肝転移は切除の適応となることは稀で予後はきわめて不良である.われわれは多発肝転移を有する腹部食道癌に対し,これらの一期的切除と共に術前術後のS1を中心とした化学療法を行い,術後5年間無再発生存症例を経験したので報告する.【症例】66歳男性で,咽頭部不快感を主訴に来院した.上部消化管内視鏡にて腹部食道に4cm径の2型の腫瘍を認め,腹部CTにて胃小弯側のリンパ節腫大と共に肝S2,4,6にそれぞれ3.7cm,4cm,3.8cm径の肝転移巣を認めたため,T3N1M1(肝),StageIVbと診断した.S1/CDDP併用化学療法を3コース施行した後,原発巣はPRと効果が確認できたが,肝転移巣はPDと判断したため,腹部リンパ節郭清を伴った腹部食道切除と拡大肝左葉切除,肝部分切除を施行した.手術時間は6時間8分,出血量は1020gであった.病理診断では中分化扁平上皮癌,INFbeta,pT3(ad),ly1,v2,小弯リンパ節に転移を認めたが切除断端はすべて陰性であった.肝腫瘤も3カ所すべて扁平上皮癌の転移であった.術後はS1/DTX併用化学療法を計8コース施行したが,途中骨髄抑制のためS1,DTXを減量した.術前PET検査にて縦隔内リンパ節転移を疑う集積を認めていたが,経過中確認できなくなった.その後も経過観察を続け,5年経過した現在無再発生存中である.【考察】食道癌の肝転移は多発することが多く,他の非治癒因子と相まって切除不能とされることが多い.本症例は病変が腹部食道に限局しており肝予備能も良好であったため,一期的に全病変の切除が可能であった.また食道癌に対する化学療法は5FU/CDDPが標準的であるが,最近S1をkey drugとした化学療法が有効との報告がある.本症例は特に術後のS1/DTXが効果的であったと思われた.【結語】多発肝転移を伴い,食道,肝の同時切除を施行した進行食道癌症例の5年無再発生存症例はきわめて稀と思われるため報告する.

キーワード

臓器別:食道

手法別:手術療法

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