演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

進行食道癌の食道狭窄にダブル胆管ステントを留置し経口摂取可能となった一例

演題番号 : P79-2

[筆頭演者]
宮林 広樹:1 
[共同演者]
安田 勝洋:1、岡田 佳也:1、野口 謙治:2、鈴木 貴夫:1

1:国立病院機構 仙台医療セ 腫瘍内科、2:国立病院機構 仙台医療セ 消化器内科

 

【背景】高度進行食道癌や縦隔悪性腫瘍で放射線療法(RT)や化学放射線療法(CRT)後に狭窄を来たすことがある。狭窄部位の癌遺残等に対する内視鏡的拡張術は利益が少ないと考えられる場合、食道ステントを留置する。RT、化学療法、高度浸潤症例などを伴う消化管狭窄に対するステント留置に関し、2012年11月の厚生労働省による調査で合併症として穿孔や死亡症例が報告されている(医療機器安全情報297号)。当院では合併症リスクを軽減する目的で食道狭窄に対して拡張径のより細いステントを用いた症例を経験している。今回、胆管ステントのステントインステントで食事可能となった食道癌症例を紹介する。【症例】68歳 男性【経過】2012年3月に突然、嗄声と食物のつかえ感が出現し、当院耳鼻咽喉科受診した。精査の結果、胸部上部食道癌(SqCC cT3N4M0 cStageIVA)と診断され、今後の治療目的に当科転科となった。当科で検討した結果、高度の食道狭窄を緩和する目的でCRTを施行することとなった。放射線59.4Gy/33Frに5-FU+CDDP(FP)療法2コースを併用した。その後FPを1コース追加後の治療評価ではgood PRであり食物の通過が良くなったと自覚していた。更にFPを1コース追加し、以降は経過観察していた。3ヶ月後、食物のつかえ感が再度出現し、治療評価では原発巣の再増大を認め、食道狭窄が悪化し、ステント留置の方針となった。CRT後のため食道ステント留置による食道裂傷穿孔のリスクがあるため、内視鏡的に胆管ステント(径10mm*80mm)を留置した。その結果、7分粥が摂取できるほどに回復し、退院となった。その後、再び経過観察していたが、さらに4か月後、食物のつかえ感が再度出現し、治療評価では原発巣の再増大を認め、ステント口側は閉塞していた。入院の上、内視鏡的にカバードステント(径10mm*80mm)を、より口側にステントインステントの形で留置した。その結果、5分粥が摂取できるようになり退院した。現在外来に通院中である。【考察】今回の症例において、CRT後のハイリスクな食道狭窄に対して径が小さい胆管ステントを安全に留置できた。径の小さなステントでも食物の通過は予想以上にスムーズであった。【結語】CRT後の穿孔リスクが高いと予想される食道狭窄に対し、胆管ステントを留置した。安全でさらに食物の通過においても有効であると考えられた。

キーワード

臓器別:食道

手法別:内視鏡手術

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