演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

Lymphatic mappingとLymphatic basin選択的郭清にて縮小手術を行った食道胃重複癌症例

演題番号 : P79-1

[筆頭演者]
佐々木 智彦:1 
[共同演者]
本山 悟:1、佐藤 雄亮:1、吉野 敬:1、栗林 邦明:1、南谷 佳弘:1

1:秋田大学医学部 消化器外科

 

73歳男性、約10年前から構音障害、嚥下障害などの仮性球麻痺症状が出現しALS(疑)と診断され、現在も内服治療を受けている。また、股関節疾患のため軽度の歩行障害を認める。2012年9月、人間ドックの上部消化管内視鏡検査で食道・胃に粘膜不整病変を指摘され当院へ紹介、切歯から37-42cmに1/3周性の粘膜不整な0-2c+2b型病変を認めた。予測深達度はSM2、生検では高~中分化型扁平上皮癌であり、cT1bN0M0 cStage1と診断した。また、胃角大弯に0-2c型の陥凹性病変を認めた。予測深達度はM、生検では中分化型管状腺癌+印環細胞癌であり、cT1aN0M0 cStage1と診断した。食道癌、胃癌ともに内視鏡的粘膜切除の適応外であった。患者側は根治性を重視し外科的切除を希望した。そこで根治性を担保した上でどのような縮小手術が可能かを検討した。嚥下機能保持のため頚部郭清省略したい。また、手術侵襲軽減のため胃は部分切除で胃管再建としたいと考えた。根治性担保のためにSNNSを取り入れた。食道癌に対してはSPIO-MR Lymphatic mapping を行い、頸部リンパ節へのリンパ流を認めなかったため頚部郭清を省略することとした。胃癌に対しては術中に胃病変周囲粘膜下にICGを注入し、主病巣からののリンパ流を近赤外線カメラで確認してLymphatic basin選択的郭清(右胃大網動静脈温存)を行うことにより胃温存を図った。術中迅速診断で胃部分切除した全断端が陰性であること、郭清したリンパ節が転移陰性であることを確認し胃管再建を行った。術後はカテーテル熱を認めたものの、嚥下、経口摂取は良好で第26病日に退院した。食道癌は同時性・異時性重複癌の合併が比較的多く、胃癌が最も多い。今回、新しい手法であるSPIO-MR Lymphatic mapping およびLymphatic basin選択的郭清を用い、根治性を損なわずにより低侵襲な手術を行った食道癌・胃癌重複癌症例を経験したため、文献的考察を交えて報告する。

キーワード

臓器別:食道

手法別:手術療法

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