演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

食道癌術前治療の効果判定因子としてのフィブリノゲン、血清サイトカインの有用性

演題番号 : P78-3

[筆頭演者]
松田 諭:1 
[共同演者]
竹内 裕也:1、中村 理恵子:1、高橋 常浩:1、和田 則仁:1、川久保 博文:1、才川 義朗:1、大森 泰:1、北川 雄光:1

1:慶應義塾大学医学部 外科学教室(一般・消化器)

 

【背景】進行食道癌においては,術前化学(放射線)療法を伴う食道切除術が標準治療となっている.その奏効は術後の予後規定因子であるため,効果判定は必須であり,その方法としてCT検査や内視鏡検査が用いられている.しかし,検査のコストや一定侵襲を伴う検査であることを考慮すると,術前治療の奏効を反映するバイオマーカーの確立が望ましい.今回我々は,術前治療の奏効とフィブリノゲン(FNG),血清サイトカイン(IL-6, IL-8, HMGB-1)の関連を検討した.【対象と方法】2001年1月から2013年3月までに当院で術前化学(放射線療法)療法後に食道癌手術を施行した121例のうち,術前治療前後におけるFNG検査を行った93例を対象とした.術前治療法奏効と治療前後のFNGの変動との関連を検討した.また,2013年1月から3月までに当科施行した,食道癌化学(放射線)療法施行例8例の治療への奏効と,血清IL-6, IL-8, HMGB-1の推移との関連を検討した.【結果】FNGの検討における患者背景は,平均年齢は61.8歳,性別は男性が88人(95%)であった.原発部位は,Ut/Mt/Lt/Aeが,13/46/30/4例であった.治療前病期の内訳は,Stage I/II/III/IVaが1/42/48/2例であった.術前治療として,FP療法/DCF療法/化学放射線療法(FP+41.4Gy)が82/2/9例に行われ,奏効率は45%であった.治療前後におけるFNGの推移との関連は,奏効群でFNG上昇/減少が16/26例であったのに対し,非奏効群では,34/17例であり,奏効群で有意にFNGが減少した(p=0.006).また,血清サイトカインの変動と治療奏効の関連に関して検討した8例では,術前治療が奏効した4例では全例でIL-8が減少し,非奏効例4例のうち3例でIL-8が上昇した(p=0.028).【結語】食道癌術前治療症例において,術前治療の奏効と,FNG,IL-8の推移は有意に相関した.いずれも血液検体を用いた比較的簡便な検査であり,食道癌における術前治療の効果を反映するサロゲートマーカーとして有用である可能性があると考えられた.

キーワード

臓器別:食道

手法別:バイオマーカー

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