演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

circulating microRNAの新規バイオマーカーとしての有用性の検討

演題番号 : P78-2

[筆頭演者]
星野 敢:1 
[共同演者]
竹下 修由:1、松本 泰典:1、阿久津 泰典:1、村上 健太郎:1、赤沼 直毅:1、磯崎 由佳:1、丸山 哲郎:1、豊住 武司:1、水藤 広:1、高橋 理彦:1、関野 伸史:1、松原 久裕:1

1:千葉大院先端応用外科

 

【背景・目的】microRNA(miRNA)は19-22merからなるnon-codingRNAの一種であり、標的mRNAの不安定化やタンパク質への翻訳阻害によりその発現を負に制御している。これまで多くの癌種において組織中のmiRNAの発現解析が行われ、当科においてもこれまでに食道癌組織におけるmiRNAの発現変動を確認し報告を行ってきた(Kano, et al. Int J Can. 2010)。また、近年になりmiRNAが血中においてエクソソーム中に内在し比較的安定して存在することが明らかとなった。今回我々は食道癌を対象とし、血中のmiRNAの発現プロファイリングを施行し、癌患者の血中において発現が亢進するmiRNAの新規バイオマーカーとしての可能性を検討した。【方法・結果】食道癌患者4名と、健常人4名の血清からtotal RNAを抽出し、miRNA arrayによる発現プロファイリングを行った。食道癌患者4名の血清において有意に発現が亢進、低下するmiRNAを各々6種、5種同定した。その発現の差が最も顕著であったmiR-1246について引き続き解析を行った。食道癌患者101名と、健常人46名を対象とし血清中のmiR-1246の発現を定量的RT-PCRにより測定・比較し、miR-1246の発現が有意に亢進していることが確認された(p<0.0001)。また、血清miR-1246の発現をcut off値を設け各臨床病理学的因子と検討すると、TNM分類における各因子、T3-4/T1-2(p=0.0024)、N+/N- (p=0.0002)、StageIII-IV/StageI-II(p=0.0007)にてmiR-1246発現との間に相関を認めた。さらに高発現群、低発現群の5年生存率は21.7%と77.3%であり、miR-1246が独立した予後規定因子であることが確認された。ROC曲線解析では、感度:71.3%、特異度:73.9%であり、既存の腫瘍マーカーであるSCC(感度:57.4%、特異度:67.4%)に比して有用である可能性が示された。【結論】miR-1246は健常人と比較し食道癌患者の血清において有意に発現が亢進していた。また、その発現レベルと臨床病理学的因子との相関が確認された。食道癌のバイオマーカーとして最も汎用されているSCCと比較し、感度、特異度ともに高く、新規バイオマーカーとして有用性が示された。現在、胃癌、大腸癌についても同様にmiR-1246の発現についてバイオマーカーとしての有用性、臨床病理学的意義についての検討を行っているところである。今後、miR-1246の機能解析や血中移行の機序を解明するとともに臨床応用を目指したシステムの構築を確立したい。

キーワード

臓器別:食道

手法別:バイオマーカー

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