演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

Na(+)/K(+)/2Cl(-) Cotransporter1(NKCC1)の食道癌細胞増殖制御における役割について

演題番号 : P78-1

[筆頭演者]
名幸 義仁:1 
[共同演者]
塩崎 敦:1、市川 大輔:1、小松 周平:1、小西 博貴:1、生駒 久視:1、栗生 宜明:1、窪田 健:1、中西 正芳:1、藤原 斉:1、岡本 和真:1、阪倉 長平:1、岸本 光夫:3、丸中 良典:2、大辻 英吾:1

1:京都府立医科大学外科学教室消化器外科学部門、2:京都府立医科大学大学院医学研究科細胞生理学、3:京都府立医科大学大学院医学研究科病理学教室人体病理学部門

 

<諸言>近年、イオン輸送体が細胞生命機能維持に重要な役割を果たすことが報告されている。中でも、癌細胞におけるクロライド輸送体の細胞容積調節・増殖制御機構が注目されている。今回、我々はNa(+)/K(+)/2Cl(-) Cotransporter 1 (NKCC1)の食道癌細胞増殖制御における役割について検討を行った。<方法>食道癌細胞株6種(TE2,TE5,TE9,TE13,KYSE70,KYSE170)を用いて、 Western blotting法にてNKCC1の発現を調べた。NKCC1高発現細胞株においてNKCC1 siRNAをトランスフェクションし、細胞増殖・細胞周期解析を行い、加えて、NKCC1阻害剤であるフロセミドによる細胞増殖解析を行った。また、NKCC1をknockdown後、マイクロアレイによる遺伝子発現解析を行った。さらに、当院で根治切除施行した食道癌検体68例を用いて免疫染色を行い、NKCC1発現の臨床病理学的意義について検討した。<結果>Western blotting法による食道癌細胞株6種における発現解析にて、それぞれ発現に差はあるもののKYSE170においてNKCC1の高発現が確認された。KYSE170を用いた細胞増殖解析においてNKCC1 siRNAのトランスフェクションによって、細胞増殖抑制効果を認め、さらに、フロセミドにおいても細胞増殖抑制効果を認めた。また、細胞周期解析ではNKCC1 knockdownによる、G2 arrest効果を確認した。マイクロアレイにおいては、1157遺伝子のmRNA発現の増加と1370遺伝子の減少を認め、Top Network、Top Biological FunctionsのいずれにおいてもトップランクにCell Cycleを認めた。さらにCell CycleのFunction中のTop Canonical Pathwaysに認めたG2/M DNA Damage Checkpoint Regulationにおいては、E2F5,DTL,CDC20等の10遺伝子との関わりが明らかになった。加えて、免疫染色における病理学的因子解析では、低分化型扁平上皮癌において、NKCC1発現が高い傾向を認めた。<結語>食道癌細胞株・切除標本における解析から、NKCC1が細胞増殖・細胞周期制御において重要な役割を果たしている事が明らかとなり、バイオマーカー・治療標的としての可能性が示唆された。

キーワード

臓器別:食道

手法別:その他

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