演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

Nab-paclitaxelによる術前術後乳癌患者の筋骨格系疼痛に対するOxycodoneの有用性

演題番号 : P77-10

[筆頭演者]
井上 賢一:1 
[共同演者]
大久保 文恵:1、永井 成勲:1、坪井 美樹:2、久保 和之:2、黒住 献:2、戸塚 勝理:2、林 祐二:2、松本 広志:2

1:埼玉がんセ 乳腺腫瘍内科、2:埼玉がんセ 乳腺外科

 

paclitaxel製剤は筋骨格系の痛みを誘発することが知られている。通常,初回サイクルの2~3日目から症状が現れ,痛みは1週間前後持続し,各サイクルで痛みの再発を繰り返すことが多い。nab-paclitaxelの場合,国内第I相試験における関節痛と筋肉痛の発現率は,それぞれ58.3%(7/12例),75.0%(9/12例)と報告されている。nab-paclitaxelを使用することにより,paclitaxelの一回の投与量が増加することが可能になり疼痛発現率が増加した。一方,痛みの原因は筋肉や関節の損傷によるものではなく,神経障害に起因する可能性が指摘されている。今回,nab-paclitaxelによるNSAIDsまたはアセトアミノフェンが無効であった、高度の筋骨格系疼痛が発現した術前術後治療を受けた乳癌患者9例にoxycodone を投与して,疼痛強度の改善が認められ( NRS, 1/10 1例, 2/10 1例, 3/10 3例, 4/10 2, 5/10 1例, 6/10 1例 ) ,忍容性にも問題はなかった。9症例8例において,末梢神経障害の症状は軽微であり,末梢神経障害に対するoxycodoneの予防効果,治療効果も示唆された。oxycodoneは,神経障害性疼痛のnab-paclitaxel治療関連痛に対して有効かつ安全に使用できると考えられる。乳癌患者のpaclitaxel製剤誘発治療関連痛は神経の損傷を伴うことが多く,高度の神経障害性疼痛として症状が発現した場合は,オピオイドの投与が必要となるケースもある。筆者らはpaclitaxel誘発末梢神経障害にoxycodoneが奏効した症例を報告(癌と化学療法38:1137-1142. 2011)しているが,臨床試験に基づくオピオイドの有効性のエビデンスは確立していないのが現状である。治療薬にoxycodoneを選択することは,神経障害性疼痛に効果を期待できること,短期間の投与でもきめ細かく用量調節できることに加えて,早い段階で患者がoxycodoneの効果を実感することで,腫瘍の再発・転移に伴う強い持続性の痛みが発現したとき,oxycodoneでオピオイド治療を円滑に開始できるという利点を有している。oxycodoneは治療期から進行期まで,乳癌患者の痛みを継続的にコントロールできるオピオイドだと考えられる。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:支持療法

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