演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

Paclitaxel誘発性末梢神経障害に対する鍼治療(1) -鍼治療適応条件の検討-

演題番号 : P77-4

[筆頭演者]
久保 春子:1,2,3 
[共同演者]
福田 文彦:1,2、伊藤 和憲:1,2、石崎 直人:1,2、須見 遼子:1、田口 哲也:4、玉木 康博:6、野口 眞三郎:5、前田 和久:1、伊藤 壽記:1

1:大阪大・院 生体機能補完医学、2:明治国際医療大 臨床鍼灸学、3:九州看護福祉大、4:京都府立医大・院 乳腺・内分泌外科学、5:大阪大・院 乳腺・内分泌外科学、6:大阪府立成人病セ 乳腺・内分泌外科

 

【背景】Paclitaxel(PTX)は、高頻度に末梢神経障害(しびれ)を生じるが、確立された治療法はない。我々は、化学療法により誘発された下肢末梢神経障害に対して鍼治療を行い、その安全性と有効性について報告してきた。【目的】PTXにより誘発された下肢末梢神経障害に対して鍼治療を行った患者を軽減群と不変群に分類し、その患者背景を探索的に検討した。【方法】PTX誘発性の下肢末梢神経障害を有する乳がん患者で週1回合計6回の鍼治療を行った15名を対象とした。鍼治療介入終了1週間後に行った自覚症状の変化についての調査(5段階)により「治療前よりかなり良い」「治療前より少し良い」を軽減群(7名)、「治療前と変わらない」「治療前より少し悪い」「治療前よりかなり悪い」を不変群(8名)に分類し、2群間の患者背景について検討を行った。検討項目として年齢、PTX投与量、末梢神経障害持続期間などの患者背景及び鍼治療介入時のVisual Analogue Scale(VAS)、Semmes-Weinstein Monofilament Test(SWMT)、M.D. Anderson Symptom Inventory(MDASI)などの患者の末梢神経障害の状態について比較検討した。【結果】2群間の比較では、患者背景因子に有意な差は認められなかったが、不変群において年齢が高い傾向(p=0.064)、NCI-CTCAEのGradeが高い傾向(p=0.063)が認められた。また鍼治療介入時のVAS、MDASIは2群間に有意な差は認められなかったが、SWMTでは不変群において異常値が多く2群間に有意な差が認められた(p=0.035)。【考察・結語】今回の検討より、不変群にSWMTの異常値が多くNCI-CTCAEのGradeの高い傾向が認められたことは、鍼治療介入時には軽減群よりも不変群において神経障害の程度が強い患者が多かったことを示している。このことから、鍼治療介入時の神経障害の違いが鍼治療効果に差を生じる要因となったと考える。また、不変群において年齢が高い傾向を認めたことも加味すると、鍼治療の効果は神経障害が軽度で年齢が若い患者においてより高いことが示唆された。これらのことから、PTXにより誘発された末梢神経障害に対しては、早期の段階からの鍼治療が効果的であることが示唆された。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:緩和医療

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