演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

FEC100とアブラキサン(nab-PTX)の逐次投与による術前化学療法の効果と安全性の検討

演題番号 : P76-11

[筆頭演者]
倉田 信彦:1 
[共同演者]
水野 豊:1、森 敏宏:1、宮内 正之:1

1:市立四日市病院 外科

 

【はじめに】殺細胞性抗癌剤の進歩とNSABP B-18試験の結果から最近では術前化学療法が生存率改善のためpCR率を高める、ないしは乳房温存術の施行率を高める目的で広く行われるようになった。アンスラサイクリン系抗癌剤とタキサン系抗癌剤の逐次投与が広く確立したレジメンとして用いられるが、従来のパクリタキセル(PTX)は可溶化剤としてクレモホールとエタノールが添加され約40%の患者に過敏反応が発現するため、ヒスタミンH1、H2拮抗薬や副腎皮質ステロイド薬の投与が必須であった。しかしnab-PTXはアルブミンを可溶化剤としたため、前投薬を必要とせず点滴時間も30分に短縮された。またPTXの投与量が多くなり奏効率の向上も期待されている。【目的】従来のPTXに代わりFEC100とnab-PTXの逐次投与による術前化学療法の効果と安全性を検討。【対象と方法】2012年1月以降当科でFEC100とnab-PTXによる術前化学療法を行った6例。平均年齢:52.7歳(35-65歳)、平均腫瘍径:6.1cm(3.1-16.8cm)。リンパ節転移評価は治療開始前に画像所見と細胞診もしくは局所麻酔下でのセンチネルリンパ節生検で判断し、N0:3例、N1:2例、N3:1例であった。サブタイプはluminal A:1例、luminal B(HER2+):1例、triple negative:4例であった。FEC100を4cycle、引き続きnab-PTX 260mg/m2を3週毎、4cycle投与した。【結果】今回検討した6例中、FEC100 4cycleの投与でPR:4例、SD:2例を認めた。FEC100でPRとなった4例中、nab-PTX 4cycleで引き続きPRを示したのは2例のみであったが、FEC100でSDであった2症例はいずれもnab-PTXでPRとなった。またFEC100とnab-PTXの逐次投与による腫瘍縮小率は平均66.3%であった。PTXの投与で高頻度に認められる過敏反応を示した症例はなく、またnab-PTX特有の副作用とされる末梢神経障害や関節痛を全症例で認めたが、支持療法として漢方薬、プレガバリン、SNRI、COX2阻害薬を初回から予防投与することで全症例コントロール可能であった。【考察】FEC100とnab-PTXの逐次投与による術前化学療法は従来のPTXとくらべ前投薬が必要なく過敏反応の出現もなく、また副作用も支持療法の予防投与でコントロール可能で有効かつ安全性の高いレジメンと考えた。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:化学療法

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