演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

エリブリンの治療効果における前治療歴、癌の悪性度との関連についての検討

演題番号 : P76-7

[筆頭演者]
崎山 勉:1 

1:近畿大学医学部附属病院

 

【目的】エリブリンは非タキサン系の微小管阻害剤であるが、同じ微小管阻害剤であるタキサンやビノレルビンとの交叉耐性は明らかになっていない。また上述の交叉耐性に加え、癌の悪性度(進行の速さ)も治療法を決定する上での重要な因子となる。今回我々はエリブリンの治療効果において、他剤の耐性進行(PD)歴、癌の悪性度との関連性について検討した。【方法】2011年8月~2013年2月にエリブリン単剤を投与開始した再発乳癌患者25例に対し、過去にどの薬剤に耐性ができ進行(PD)となったかを調べ、薬剤の耐性進行歴別にエリブリンの効果を比較検討した。また、無病期間(DFI)を悪性度の指標とし、24ヶ月以上or未満に分けて同様に効果の比較検討を行った。【結果】25例全体では、再発後の前治療歴中央値3(1-7)、臨床的有用率(CBR)36%、病勢コントロール率(DCR)60%、無増悪生存期間(PFS)中央値は105日、相対用量強度(RDI)0.79であった。このうちタキサン系薬剤にPDとなった患者群では、前治療歴中央値3(1-7)、CBR40%、DCR65%、PFS中央値116日、RDI0.79であった。また5-FU系薬剤にPDとなった患者群では、前治療歴中央値3(1-7)、CBR39%、DCR61%、PFS中央値95日、RDI0.80であった。同様にVNRでは前治療歴中央値4.5(1-7)CBR30%、DCR70%、PFS中央値112日、RDI0.78であり、GEMでは前治療歴中央値3.5(1-7)、CBR17%、DCR33%、PFS中央値60日、RDI0.77であった。各薬剤にPDとなった患者群を比較すると、エリブリンの効果に大きな差おいて一定の傾向は認められなかった。また、癌の悪性度の高い患者群(DFI<24M)では、前治療歴中央値2(1-5)、CBR25%、DCR63%、PFS中央値91日、RDI0.79であり、同様に悪性度の低い患者群(DFI≧24M)では、前治療歴中央値3(1-7)、CBR41%、DCR59%、PFS中央値84日、RDI0.81であった。癌の悪性度別に比較しても、同様に効果に大きな差は認められなかった。【考察】エリブリンは、どの薬剤のPD後でもほぼ一定の効果を発現示しており、同じ微小管阻害剤であるタキサン系薬剤やビノレルビンとも臨床上の交叉耐性は認められなかった。また、癌の悪性度がエリブリンの病勢コントロールやPFSと相関する傾向は見られなかった。よってエリブリンは、再発乳癌治療の中で薬剤耐性や使用順序を限定せずに使用でき、かつ様々なタイプの症例に対し単剤で比較的安定した病勢コントロールが期待できる薬剤である。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:化学療法

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