演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

特殊型乳がんに対するセンチネル陽性腋窩非郭清の可能性

演題番号 : P75-9

[筆頭演者]
麻賀 創太:1 
[共同演者]
木下 貴之:1、北條 隆:1、神保 健二郎:1、吉田 正行:2

1:国立がん研究センター中央病院 乳腺外科、2:国立がん研究センター中央病院 病理科

 

[はじめに] ACOSOG Z0011ではセンチネルリンパ節転移が2個以下の症例に対する腋窩非郭清のデータが報告されている。しかし、これは対象症例の大半が浸潤性乳管癌であり、それ以外の特殊型に着目した報告は存在しない。[目的] 特殊型乳がんに対するセンチネルリンパ節生検の結果から、特殊型におけるセンチネル陽性腋窩非郭清の可能性を考察する。[対象と方法] 2010年から2012年までに当院で初回治療として乳房手術とセンチネルリンパ節生検を施行した原発の特殊型乳がん108例を対象に、センチネルリンパ節転移陽性例における非センチネルリンパ節転移の状況と、非センチネルリンパ節転移陽性症例の臨床病理学的特徴について検討を行った。なお、センチネルリンパ節の転移診断は、全例、組織診断とOSNA法の併用で行い、組織診断でITC以上またはOSNA法で1+以上のいずれかに該当した場合をセンチネル陽性と定義した。センチネル陽性は全例で腋窩郭清を施行した。[結果] 対象108例の年齢の中央値は63歳(34-83歳)、術前の臨床的T分類はcT1が66例、cT2が38例、cT3が4例で、組織型は浸潤性小葉癌が54例、粘液癌が30例、アポクリン癌が14例、その他が10例であった。センチネルリンパ節の同定は102例がRI法と色素ないし蛍光法の併用で行われ、色素法単独は6例であった。同定されたセンチネルリンパ節の個数の中央値は2個(1-6個)で、センチネル転移陽性例は27例存在した。このほかに、センチネルは陰性であったが乳房内リンパ節転移が認められ、腋窩郭清を施行した症例が3例存在した。これら30例のうち、非センチネルリンパ節陽性は15例(50%)であり、非センチネルリンパ節転移個数の中央値は3個(1-22個)であった。臨床病理学的背景から非センチネルリンパ節転移予測因子を検討したところ、pT2以上とER陽性が有意な(p<0.05)因子であり、組織型が浸潤性小葉癌であること、HG3、SLNマクロ転移の3項目は非センチネル陽性になる傾向(0.05<p<0.1)が認められた。[まとめ] 検討症例数が少ないものの、特殊型乳がんにおいては高い(50%)非センチネルリンパ節転移が確認された。病理学的浸潤径やホルモンレセプターが非センチネルリンパ節転移予測因子になりうる可能性が示唆されたが、センチネル陽性非郭清を行うには、さらなる症例の蓄積による検討が必要であると考える。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:手術療法

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