演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

再発乳癌におけるオンコロジーエマージェンシーに対する手術症例の検討

演題番号 : P75-6

[筆頭演者]
沖代 格次:1 
[共同演者]
柄川 千代美:1、桂 宜輝:1、賀川 義規:1、竹野 淳:1、向坂 英樹:1、中平 伸:1、谷口 博一:1、武田 裕:1、加藤 健志:1、田村 茂行:1、高塚 雄一:1

1:関西ろうさい病

 

【はじめに】再発乳癌は多臓器に転移するため、転移臓器に応じたさまざまな症状が出現する。そのため緊急に処置を要するオンコロジーエマージェンシーにしばしば遭遇する。しかし手術を要することは比較的稀である。【対象・方法】2003年1月~2013年3月までの間に、当院で再発乳癌におけるオンコロジーエマージェンシーに対して手術を施行した26例31件の手術を対象に、手術内容、術後経過、術後の症状、QOLの改善、予後についてレトロスペクティブに検討した。【結果】手術時の年齢中央値は61歳。手術は、消化器手術8件、脳転移に対する手術20件、整形外科手術3件であった。退院できた症例の、術後入院期間の中央値は22日、術死が3例、在院死が2例であった。症状あるいはQOLの改善は64.5%の症例に認められた。術後生存期間(OS)中央値は480日であった。消化器手術:癌性腹膜炎による腸閉塞3例、穿孔(十二指腸潰瘍、S状結腸)4例、胆嚢転移による胆嚢炎1例であった。術後入院期間の中央値は25日、術死が1例、在院死が2例であった。5例(62.5%)は術後薬物療法を再開できた。術後OS中央値は172日であった。脳転移手術:16例に対して20件の開頭腫瘍摘出術を施行した。術後入院期間の中央値は15日、術死は1例であった。全例術前に症状(ふらつき、悪心・嘔吐、麻痺など)を認めたが、術後60%の症例に症状改善が認められ、11例(68.7%)は薬物療法を再開できた。術後OS中央値は480日であった。整形外科手術:骨転移による病的骨折に対し3例に手術を施行した。1例はADLが改善し、その後薬物療法を再開できた。1例はADLの改善認めず治療は断念、1例は術死した。【考察】オンコロジーエマージェンシーに対する手術の目的は、症状あるいはQOLの改善である。転移臓器により対応は異なる。特に消化器系の場合は、保存的に改善する見込みは少なく、手術を施行せざるを得ない(穿孔症例など)が、術死および在院死の頻度は37.5%と高かった。脳転移に対する腫瘍摘出術は、術後の回復も比較的早く、症状改善が期待できる。病的骨折に対する手術は、ADLの改善を期待して手術を施行するが、通常の手術よりリスクが高いと思われた。オンコロジーエマージェンシーに対する手術は、症状改善を期待できる可能性があるが、患者の状態、予後を考慮し、また通常の手術よりリスクが高いことを念頭において慎重に適応を決定する必要があると考えられた。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:手術療法

前へ戻る