演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

ER陰性/PR陽性乳がんにおけるER mRNAの発現とMolecularサブタイプ

演題番号 : P75-5

[筆頭演者]
岩本 高行:1 
[共同演者]
松岡 順治:1、鳩野 みなみ:1、伊藤 麻衣子:1、溝尾 妙子:1、野上 智弘:1、元木 崇之:1、枝園 忠彦:1、平 成人:1、林 直輝:2、新倉 直樹:3、藤原 俊義:1、土井原 博義:1

1:岡山大学病院 、2:聖路加国際病院、3:東海大学

 

背景:エストロゲンレセプター(ER)陰性(-)乳がんにおけるプロゲステロンレセプター(PR)の遺伝子発現は真のER response pathwayの評価に役立つという基礎実験からの報告もあるが、ERに比べてPRはそれほど重要ではないという臨床研究からの報告もあり、ER-乳がんにおけるPRの臨床的意義については不明な点も多い。そこでわれわれは免疫染色法(IHC)で定義されたER-/PR陽性(+)乳がんの遺伝子的特性について検討を行った。 方法:原発性乳がん501例についてmRNAのマイクロアレイデータ(Gene Expression Omnibus accession: GSE25066)を用いて検討を行った。ホルモンレセプター(HR)はASCO CAPガイドラインに基づき免疫染色法にて腫瘍細胞の1%以上を陽性とした。ESR1 mRNAとPAM50によるMolecularサブタイプについて検討を行った。また、IHC-ER/PR分類(ER+/PR+: n=223, ER+/PR-: n=73, ER-/PR+: n=20, ER-/PR-: n=185)に基づいた生存解析を行った。 結果:IHC-ER-/PR+, ER+/PR-, ER+/PR+, ER-/PR-のうち25%、79%、96%、5%がESR1 mRNAにてER陽性に分類された。ESR1 mRNA レベルはIHC-ER-/PR+はER+/PR-, ER+/PR+に比べて有意に低下していたが、ER-/PR-とは同等であった。増殖活性マーカーKi67 mRNAレベルはIHC-ER-/PR+はER+/PR+に比べて有意に高値であったが、ER-/PR-と同等であった。IHC-ER-/PR+のうちMolecularサブタイプでは15%がLuminal A, 5%がLuminal B, 65%がBasal likeタイプとなった。無再発生存率はIHC-ER-/PR+はER+/PR-, ER+/PR+と同等で、ER-/PR-に比べて有意に良好であった。 結語:潜在的にホルモン療法に感受性があるとされるIHC-ER-/PR+乳がんはER陰性やBasal likeタイプに近い遺伝子的特性をもっていた。よってIHC-ER-/PR+乳がんはホルモン剤と抗ガン剤の両方を治療戦略に加える必要があると考える。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:トランスレーショナルリサーチ

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