演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

中学生を対象とした乳がん教育プログラムの開発

演題番号 : P75-4

[筆頭演者]
前嶋 愛子:1 
[共同演者]
清水 千佳子:1、佐治 重衡:5、菅野 康吉:2、北條 隆:3、津田 均:4、藤原 康弘:1

1:国立がん研究センター中央病院 乳腺・腫瘍内科、2:国立がん研究センター中央病院 遺伝相談外来、3:国立がん研究センター中央病院 乳腺外科、4:防衛医科大学校 病態病理学講座、5:京都大学大学院医学研究科 標的治療腫瘍学講座

 

【背景】乳がんは女性で最も罹患率の高いがんであり、高齢者だけでなく壮年期の女性にも好発する疾患のため、若年者への乳がんに関する啓発は重要である。欧米では、NPOなどが中心となり10代の学生を対象とした乳がん教育プログラムがすでに行われている。近年わが国でもがん教育の重要性は認識されつつあるが、肺がんや子宮頸がんに比べ、乳がんについては系統だった学校での啓発と教育は行われていないのが現状である。【目的と方法】中学生に対する乳がん教育の授業と啓発パンフレットの妥当性・有用性を評価し、教員による乳がん教育の可能性の探索することを目的に、シラバスに基づいたパイロット授業を行い、その前後で教職員と生徒に対して質問紙調査を実施した。授業は教員が行い、補助教材としてがん研究振興財団 「余命1ヶ月の花嫁記念課題」研究班で作成したパンフレット「早期発見で治そう 乳がん」を使用した。質問紙では、中学生の乳がんに対するイメージ、乳がんについての知識を調査し、授業の前後で比較した。男女差や学年差については、独立性の検定を用いて分析した。【結果】乳がんの知識として、好発年齢、罹患率、検診受診率、治癒率、遺伝性乳がんの頻度の5項目について尋ねると、平均正答率は授業前の22%から授業後に65%まで上昇した。授業後に中学生の考える乳がんは、「怖い(60%)」が、「恥ずかしくない(47%)」、「治る(61%)」、自分にも「関係がある(52%)」イメージの病気と捉えられていた。知識問題の正答率や乳がんのイメージに男女差・学年差はなく、乳がん教育の対象として中学生男女は妥当と示唆された。また、授業やパンフレットの内容については、生徒と教員双方の約7割から肯定的な評価を得た。なお、啓発パンフレットは平成24年度末に各自治体の教育委員会を通じて全国の中学校へ配布し、内容と使用状況についての質問紙調査を現在行っており、その解析結果についても併せて本学会で報告する予定である。【考察】授業を通じて、生徒の乳がんに関する正確な知識の獲得と関心の喚起が可能となる。教員による乳がん教育を実現するために、授業シラバスや補助教材といった教育資材は有用であり、今後は医療者と教育現場とが連携して拡充に努める必要がある。今後はさらに複数の学校で授業を実施し、質問紙調査を比較検討することで、次年度以降のパンフレットの改訂や授業内容の改善を目指す。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:疫学・予防

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