演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

乳癌患者におけるIL-17の産生動態と炎症、栄養状態における検討

演題番号 : P75-3

[筆頭演者]
権田 憲士:1 
[共同演者]
柴田 昌彦:1、大竹 徹:2、志村 龍男:3、櫻井 健一:4、竹之下 誠一:2

1:埼玉医科大学国際医療センター 消化器病センター、2:福島県立医科大学器官制御外科学、3:腫瘍生体エレクトロニクス、4:日本大学医学部外科学

 

Th17はTGF-betaなどのサイトカインによってNaive T Cellから誘導活性化されるHelper T Cellであり、Th-17から産生されたサイトカインIL-17は、クローン病、リウマチ様関節炎、ある種の自己免疫性疾患の炎症の発現に関係しているとされている。また、発癌のみならず癌の進行進展にも全身性炎症が関与しており、癌悪液質のように栄養、免疫抑制と密接に関連していることを消化器癌において我々は報告した。今回、乳癌における炎症の発現機構とIL-17の関与について検討した。対象は健常成人18人と術前未治療乳癌患者45例である。そのうち、Stage1が3名、Stage2が14名、Stage3が10名、Stage4が18名であった。血液を採取し分離した末梢血単核球PBMC中の骨髄由来免疫抑制細胞MDSCをFlow cytometry(CD11b+,CD14-,CD33+)で測定し、末梢血単核球を分離して刺激後24時間のIL-17、IL-10、IL-12、IFN-GをELISAで測定し産生能を検討した。栄養指標としてはPrealbumin (PA)、Retinol Binding Protein (RBP)、Transferrin (Tf) を測定した。IL-17は健常成人に比して乳癌患者全体で高値を示した(P<0.05)。また、細胞性免疫能を活性化するIL-12産生能やIFN-Gとは有意に負の相関を示したが、細胞性免疫能を不活化するIL-10産生能とは有意に正の相関を示した。MDSCやN/L比とは有意に正の相関関係を示し、PHA(リンパ球幼弱化能)とは有意に負の相関系を示した。栄養状態の指標に関してはIL-17はPA、RBP、Tf濃度と有意に負の相関を示した。さらに、今回測定した乳癌患者におけるIL-17を2群にわけてKaplan-Meier法で検討すると低値群の患者で有意に良好な生存率を認めた(Logrank-test p<0.05)。このようにIL-17は乳癌患者で上昇し、高度進行癌でさらに高かった。またIL-17によって活性化された免疫抑制細胞がIL-12を産生する樹状細胞の活性化を阻害している可能性が示唆された。さらに、栄養障害や炎症にも関わることが推測された。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:免疫療法

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