演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

Oncotype DX® DCIS の臨床経験

演題番号 : P75-1

[筆頭演者]
鈴木 真彦:1 

1:北村山公立病院 乳腺外科

 

【目的】21 個の遺伝子解析ツールである Oncotype DX® は、予後予測・治療効果予測を行う多遺伝子アッセイである。Oncotype DX® Breast は化学療法の上乗せを必要としない低リスクの浸潤癌を選別するのに対し、Oncotype DX® DCIS は放射線治療を必要としない低リスクの DCIS を選別する。この検査で得られる DCIS Score は、39 未満が低リスク、39〜54 が中間リスク、55 以上が高リスクとされている。今回、この Oncotype DX® DCIS の臨床経験に考察を加え報告する。【対象と方法】当院で乳癌手術を施行し病理検査で DCIS と診断され、承諾を得た 3 例に Oncotype DX® DCIS の検査を施行した。そして、その結果をもとに放射線治療の必要性について検討した。【結果】3 例の DCIS Score は、それぞれ 32、39、47 だった。DCIS Score が 32 と低リスクの 1 例は放射線治療を省略した。また、39 だった 1 例は放射線治療を選択したが、47 だった 1 例は高齢を理由に放射線治療を辞退した。【考察】DCIS に対する術後放射線治療は、NSABP-B 17 や UK/ANZ DCIS trial にて乳房内再発の有意な減少が示されたことなどから、乳癌診療ガイドライン治療編(2011年版)でも推奨グレード A とされている。しかしその一方で、病変の広がり、核グレードの違い、コメド壊死の有無、切除断端状況などを指標として、放射線治療の省略が可能な予後良好群を同定する試みも多くなされていた。しかし、そのほとんどが Retrospective study だったこともあり、標準治療に組み入れられるまでには至らなかった。Oncotype DX® DCIS は多施設共同前向き試験である ECOG5194 がその開発の元となっている。また、RT-PCR による検査であることから、従来の病理検査に比べより客観的で再現性があるとされている。コストの面などまだまだ解決されるべき課題は多いものの、この検査がより容易に施行できるようになり、DCIS に対する放射線治療の要不要がより明確に示されるようになれば、実臨床に大いに意義があると思われる。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:遺伝子診断

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