演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

髄膜播種再発をきたしたTriple Negative (TN)乳癌の1例

演題番号 : P74-9

[筆頭演者]
野元 優貴:1 
[共同演者]
平田 宗嗣:1、喜島 祐子:1、新田 吉陽:1、江口 裕可:1、中条 哲浩:1、有馬 豪男:1、吉中 平次:1、夏越 祥次:1

1:鹿児島大学病院

 

<はじめに>乳癌において髄膜播種再発は、比較的まれな病態である.肝再発に対する化学療法中に髄膜播種をきたした進行乳癌を経験したので報告する.<症例>56歳閉経後女性。2011年2月に左乳房内腫瘤を自覚し、近医受診。左乳房C領域に腫瘤を認めた。FNAC施行し、乳癌の診断で当科紹介受診された。エコーでは、腋窩に10個以上および鎖骨下に数個の腫大したリンパ節を認めた。術前CTおよび骨シンチでは、明らかな遠隔転移は認めなかった。左乳癌cP2N3aM0 Stage IIICの診断にて、2011年3月に腋窩および鎖骨下リンパ節郭清を伴う胸筋温存乳房切除術を施行した。最終病理診断は浸潤性乳管癌、硬癌、pT2, ly3+, v-, HGIII, NGIII, ER(-) PgR(-) HER2(-), n3a(51/51)であった。 術後補助化学療法として、EC+Nab-PTX療法を各4クール施行した。化学療法終了後の2012年1月に肝障害および腫瘍マーカーの上昇を認め,腹部CTで多発性肝腫瘍が指摘され,乳癌肝転移再発と診断した。EC療法の再度投与を開始し、著明な腫瘍マーカーの低下と肝腫瘍の縮小を認めた。再発後、6クール目のEC療法が施行された2012年5月1日ごろより、食欲不振と全身倦怠感が出現した。入院精査が施行された.肝転移巣はPRを維持,腫瘍マーカーは再上昇を認めず,頭部CT施行にて明らかな脳転移、その他脳血管障害を疑う所見は認められなかった。5月21日,頚部痛出現,歩行困難、尿失禁、意識レベルの低下が認められたため,髄膜播種が疑われ当院転院となった.頭部MRIにて脳溝が不整に濃染され,髄液穿刺細胞診にて悪性細胞が認められ、乳癌髄膜播種再発と診断された。グリセロール等の減圧治療を施行したが、意識障害は回復せず転院後7日で永眠された.<考察>腫瘍マーカーの著明な低下、肝腫瘍の著明な縮小を認めたにもかかわらず、髄膜播種が急激に進行した高度進行TN乳癌の1例を経験した.急激に進行する神経症状を有する症例では,脳転移だけではなく、髄膜播種の可能性を念頭においた対処が必要と考えられる。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:診断

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