演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

脳腫瘍における18F-BPA PET画像の標準化を目指した解釈

演題番号 : P72-15

[筆頭演者]
松下 葉子:1 
[共同演者]
川端 信司:2、古瀬 元雅:2、平松 亮:2、宮武 伸一:2、黒岩 敏彦:2

1:弘善会 矢木脳神経外科病院、2:大阪医科大 脳神経外科

 

近年、悪性脳腫瘍の再発、放射線壊死との鑑別において、様々なPETの有用性が示されている。我々は、フェニルアラニンをトレーサーとした18F -BPA PETを積極的に病態解析に用いている。18F -BPA PETはホウ素中性子捕捉療法(BNCT)の線量計画のため考案されたものであるが、悪性脳腫瘍治療後の病態診断にも有用であることが示されている。しかし、病変(L)/正常脳(N)比の測定には標準化された手法はなく、測定者によって値にばらつきが生じることが問題となる。実際に、同一症例のPET画像で複数の測定者によりL/N比を測定したところ、大きなばらつきを認めた。病変または正常側の関心領域の設定が測定者により異なることが一因と考えられる。そこで、アミノ酸代謝画像として適切な補正、解析方法について検討した。
脳腫瘍患者12例についてPET画像上の正常脳(N)、大動脈(Ao)及び頭蓋内静脈洞(SSS)に関心領域をおき、これらの集積を比較した結果、各組織間の比はN:Ao:SSS = 1:1.50:1.32となった。また、同じ関心領域での平均値と最大値の比較を行うと、それぞれの組織とSSSとの比には一定の相関があることがわかった。SSSにおいては、PETの空間分解能に限界もあり、周囲との境界が不明瞭でありROIとなる面積が小さいことから、平均値には測定者間のばらつきが危惧されるが、ばらつきが少ない最大値での評価が可能と考えられた。また従来の方法で、膠芽腫と放射線壊死について、病変とN、Ao、SSSの比を算出し、得られた値の検討を行った。放射線壊死とAoとの比がほぼ1に近いという結果から、
18F-BPA PETの値には血液潅流が関わっていることが示唆された。
18F-BPA PETから得られた値には、アミノ酸の取り込みだけではなく、組織灌流なども関与すると考えられ、定量的な測定は不正確である。しかし、各組織間における比には相関があり、BNCTの線量計画や治療効果の判定、腫瘍再発と放射線壊死との鑑別には有用である。しかしながら、その結果の解釈は未だ標準化されているとは言えず、今後の課題である。

キーワード

臓器別:脳神経

手法別:画像診断(イメージング)

前へ戻る