演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

悪性グリオーマ幹細胞におけるMCAM/CD146の高発現とその浸潤における役割

演題番号 : P72-14

[筆頭演者]
八幡 俊男:1 
[共同演者]
東 洋一郎:1、田村 雅一:1、川西 裕:1、政平 訓貴:1、清水 惠司:1、上羽 哲也:1

1:高知大学 医学部

 

膠芽腫は、正常脳組織に活発に浸潤するために完全な外科的切除が困難であり、ほとんどの場合、再発を余儀なくされる。腫瘍細胞が浸潤先で生着し、新たに腫瘍塊を形成するためには、それらが幹細胞等の自己複製能を備えた細胞である必要がある。よって、膠芽腫に含まれる幹細胞の浸潤に関わる分子機構を解析することが膠芽腫の浸潤を制御するために有用であることは疑いない。 我々は、マウス膠芽腫細胞株において幹細胞を濃縮可能なスフェロイド培養した際に発現上昇する転移浸潤関連分子として、血管内皮や悪性黒色種で高発現することが報告されているMCAMを同定した。膠芽腫患者組織からの初代培養細胞においてMCAMの発現は、スフェロイド培養では高発現し、分化誘導により低下した。これをフローサイトメトリーで解析すると幹細胞マーカーCD133の陽性細胞は、MCAMを高頻度に発現することが確認された。膠芽腫の幹細胞は、血管内皮細胞に分化可能であることが報告されているが、MCAM陽性細胞は他の血管内皮細胞マーカーCD31を発現していなかった。MCAMの浸潤性における機能を検討するために、MCAMの過剰発現細胞とノックダウン細胞を樹立し、3Dコラーゲンゲルアッセイで浸潤能を評価したところ、MCAMの発現と浸潤性において正の相関性が得られた。さらに、PCRアレイを用いた解析によりMCAMを過剰発現細胞した膠芽腫細胞では、転移、浸潤関連遺伝子の幾つかの発現が上昇していることが観察された。これらの結果から、MCAMは膠芽腫に存在する幹細胞で高発現し、その浸潤に寄与する可能性が示唆された。

キーワード

臓器別:脳神経

手法別:基礎腫瘍学

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