演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

中枢神経悪性腫瘍への放射線照射に伴う悪心・嘔吐に対するグラニセトロンの効果

演題番号 : P72-13

[筆頭演者]
山崎 文之:1 
[共同演者]
渡邊 陽祐:1、野坂 亮:1、権丈 雅浩:3、中村 和洋:4、高安 武志:1、齋藤 太一:1、富永 篤:1、杉山 一彦:2、栗栖 薫:1

1:広島大学 大学院医歯薬保健学研究院 脳神経外科学、2:広島大学病院 がん化学療法科、3:広島大学 大学院医歯薬保健学研究院 放射線腫瘍学、4:広島大学 大学院医歯薬保健学研究院 小児科学

 

背景:脳または脳脊髄照射による悪心、嘔吐の発現頻度はガイドラインでは30-59%と low riskに分類されている。グラニセトロンは2011年12月22日に放射線照射に伴う悪心、嘔吐について、効能・効果追加の承認を取得した。われわれは、中枢神経悪性腫瘍への放射線照射により悪心、嘔吐をきたした患者に対するグラニセトロンの効果を検討した。方法:2011年12月から2013年1月に当院にて放射線治療を行った連続34例を対象とし、髄膜炎を併発した1例を除外した。男性18人、女性15人で、年齢は3歳から80歳。塩酸グラニセトロンの投与は、海外ASCOガイドラインの推奨投与を参考に、放射線照射後の悪心、嘔吐の誘発が疑われ、嘔吐がgrade 1以上、悪心がgrade 2以上となった後の症状発現後投与とした。観察期間中の悪心・嘔吐の発現状況から、投与後の臨床効果を complete response (no vomiting, no nausea, no anti-emetic)(嘔吐・追加の救済投与・悪心なし)、nausea, no anti-emetic,(嘔吐・追加の救済投与なし、悪心あり)、no vomiting with anti-emetic (嘔吐なし、追加の救済投与・悪心あり)、vomiting(嘔吐あり)で評価した。結果: 放射線により悪心 grade 2以上または嘔吐を発現した患者は、全脳または全脳・全脊髄照射で55.6%、全脳室照射で33.3%、局所照射で16.7%と、照射体積が大きいほど発現頻度が高かった(P<0.05)。食欲不振もそれぞれ88.9%、66.7%、38.9%と同様な傾向を示した(P<0.05)。グラニセトロンを投与した患者の悪心消失率は、55.6%(9人中5人)で、嘔吐完全抑制率は100%(6人中6人)であった。食欲不振については、gradeが改善するものの完全に消失した例は1例のみであった。グラニセトロンにより便秘(grade 1 & 2)が44.4%(9人中4人)に発現したが、投与終了後に速やかに回復し、他に問題となる副作用は出現しなかった。結語:中枢神経悪性腫瘍への放射線照射に伴う悪心・嘔吐に対するグラニセトロン投与は副作用も特に問題なく、患者のQOLを保つため有効な治療方法であった。

キーワード

臓器別:脳神経

手法別:支持療法

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