演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

転移性脳腫瘍治療後の経過検討

演題番号 : P72-5

[筆頭演者]
和田 晃一:1 

1:彩都友紘会病院 脳神経外科

 

【目的】転移性脳腫瘍の治療経過は、初期治療の内容や原発癌の種類・組織型によって大きく異なる場合が多い。今回、肺腺癌と乳癌からの脳転移症例に限定し、その経過や予後について検討する。
【対象】平成19年9月から当院で加療を行った肺腺癌、乳癌の患者中、脳転移を診断された肺腺癌 77症例(LC群)、乳癌 57症例(BC群)の治療や予後、死因等を後視方的に検討した。
【結果】LC群の50%生存期間は10.0ヶ月、1年生存率は43.3%であった。BC群ではそれぞれ8.0ヶ月、38.3%となり、両群間に有意差は認めなかった。LC群、BC群共にRPA class IIIの症例では有意に生命予後が不良であった。原発巣の診断・治療開始から脳転移診断までの期間は、LC群で17.1ヶ月、BC群で66.2ヶ月となり、LC群で有意に短かったが、LC群では原発巣から脳転移までの期間による生命予後に差は無かったのに対し、BC群では脳転移までの期間が長い方が予後良好な傾向があった。脳転移に対する初期治療は、LC群では摘出術6例、全脳照射24例、定位放射線29例となり、摘出術例で生命予後が良く、BC群では摘出術8例、全脳照射30例、定位放射線14例で、定位放射線例で予後が良好であった。脳転移による神経症状はLC群で43例に、BC群で43例に出現しており、治療による神経症状改善はそれぞれ20例(46.5%)、19例(44.2%)で見られた。またLC群では神経症状が改善した症例で予後が有意に良好であった。死亡症例はLC群54例、BC群37例で、中枢神経死はそれぞれ3例(5.7%)、9例(24.3%)となり、BC群でやや制御悪い傾向があったが、BC群の方が転移巣数、腫瘍径が共に大きい傾向があった。
【結語】全体的な生命予後や神経症状改善についてはLC群・BC群共に大差は無かった。しかしLC群が原発巣から脳転移までの期間が予後に大きな影響が無かったのに対して、BC群では脳転移までの期間が短い方が予後悪く、中枢神経死の比率も高いといった差があり、今後はこれらの差をどのように改善するかが問題である。

キーワード

臓器別:脳神経

手法別:その他

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