演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

初発中枢神経系原発悪性リンパ腫に対する多剤併用免疫化学療法の治療効果

演題番号 : P72-3

[筆頭演者]
永根 基雄:1 
[共同演者]
小林 啓一:1、高山 信之:2、塩川 芳昭:1

1:杏林大学医学部 脳神経外科、2:杏林大学医学部 第二内科

 

【目的】中枢神経系原発悪性リンパ腫(PCNSL)に対する標準的初期導入化学療法である大量methotrexate(HD-MTX)単独療法は、初回投与後には高率に腫瘍縮小が認められるものの、完全緩解(CR)が得られる率は2-3割に過ぎない。そのため、高齢者においても全脳照射を要することが多く、中枢神経障害予防や生存予後改善などが課題となっている。当科では近年Rituximabを加えた多剤併用療法による導入治療を行っており、今回その治療効果を検討した。【対象】2000年以降に当院で治療された初発PCNSL症例88例のうち、導入化学療法としてHD-MTX単独療法(M群)を施行した61例と、R-MPV療法(R群)を施行した9例を対象とした。【結果】平均年齢/男女比はM群62歳/34:27、R群69歳/5:4、KPS中央値は両群とも60、初期治療サイクル数中央値M群3 (1-6)、R群5 (2-8)であった。R群での地固めHD-AraCは現時点で2例のみ施行された。M群では最良反応がCR 18%, PR 56%, PD 7%であったが、照射前の最終反応ではCR 16%, PR 35%, PD 37%と、CR割合は20%以下に留まり、最終的に4割近くでPDとなった。一方、R群ではCR (CRu) 75%, PR 25%, 最終反応でもCR (CRu) 75%, PD 12.5%と高いCR(u)割合と低いPD割合であった。導入化学療法後の照射割合は、M群56/61例、R群5/6例であったが、CR例に対して行う24Gyへの減量照射はM群8/56例であったのに対し、R群では3/5例で施行でき、高率で減量照射が可能であった。【考察】初発PCNSLへのHD-MTX単独療法はCRが得られにくく、また早期に再燃が認められたのに対し、R-MPV-A療法では高いCR導入率を認めた。本療法により高齢者での照射回避率の向上と機能改善、HD-MTX単独でのPFS 9.9ヶ月、MST 45ヶ月を上回る生存延長効果が期待される。

キーワード

臓器別:脳神経

手法別:化学療法

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