演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

デノスマブ皮下注の使用状況調査

演題番号 : P71-17

[筆頭演者]
大谷 祐子:1 
[共同演者]
見上 千昭:1、西尾 孝:1、奥川 斉:1、根來 俊一:2

1:兵庫県立がんセンター 薬剤部、2:兵庫県立がんセンター 腫瘍内科

 

【目的】デノスマブはRAKLを標的とするヒト型IgG2モノクローナル抗体製剤で、多発性骨髄腫による骨病変及び固形癌骨転移による骨病変に対して2012年4月薬価収載され、当院では2012年5月に採用となった。しかし、市販後に重大な副作用である低Ca血症及び顎骨壊死が認められ、特に低Ca血症ではデノスマブとの関連が完全に否定できない死亡例が国内外で見られている。そのため使用にあたっては頻回に血清Caを測定することやCa及びビタミンDの経口補充、重度の腎機能障害患者への慎重投与などの注意喚起が行われている。今回、適正使用推進にあたり当院での使用状況と重篤な低Ca血症の発現を予防するための対応を報告する。
【方法】2012年5月から2013年3月までの期間、デノスマブ皮下注が投与された患者について電子カルテから患者背景、血清Ca値の変化、低Ca血症の発現と転帰、CaまたはビタミンDの投与状況等をレトロスペクティブに調査した。
【結果】対象患者は47例で原発病変は乳癌23例、前立腺癌5例、大腸癌、腎癌各3例、その他13例、その内ゾレドロン酸水和物注射液からの切り替えは17例であった。投与開始と同時にCaまたはビタミンDの投与が行われたのは33例、患者に新カルシチュウD3の購入指導を行ったのは7例、血清Caの低下に合わせCaの投与が開始になったのは4例(内2例は腎障害あり)、Ca、ビタミンD投与の記載がなく不明のものは3例あった。また、血清Ca上昇のため、途中Ca投与量を減量した症例が4例あった。低Ca血症の発現はCTCAEv4.0分類でGrade1が5例、Grade2が3例、Grade4が2例であった。Grade1及び2ではCa、ビタミンDの追加投与により対応され、Grade4では投与を中止し、Caの追加投与が行われた。Grade4の症例では1例はGrade2までの回復で再投与され、もう1例は低Ca血症の回復を待たず原疾患の治療がBSCとなり、転院となった。
【考察】低Ca血症予防のため、CaまたはビタミンDの投与は行われていたが、腎機能に問題のない症例でも使用上の注意に記載されるCa及びビタミンDの投与量より少ない症例もあった。当院でも低Ca血症は発現しており、適正かつ安全な薬剤使用のためCa及びビタミンDの投与量も含めた投与の啓発と血清電解質濃度やアルブミン値、腎機能検査の測定を行うことを繰り返し注意喚起する必要がある。

キーワード

臓器別:その他

手法別:分子標的治療

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