演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

選択的NK-1受容体拮抗剤による制吐管理の有効性と有害事象発現に関する後方視的検討

演題番号 : P71-16

[筆頭演者]
槇枝 大貴:1 
[共同演者]
矢吹 晃宏:1、阿部 真寿美:1、二宮 洋子:1、笹本 奈美:2,4、玉井 恭子:1、山口 佳之:3,4

1:川崎医科大病 薬剤部、2:川崎医科大病 看護部、3:川崎医科大病 臨床腫瘍科、4:川崎医科大病 通院治療セ

 

【目的】選択的NK-1受容体拮抗剤(NK1-RAs)は,CDDPなどのがん化学療法に伴う悪心・嘔吐に有効な薬剤である. 一方,NK1-RAsは薬物代謝酵素CYP3A4等を阻害・誘導することから,デキサメタゾン投与量の調節が必要となる.また,一部の抗悪性腫瘍剤はCYP3A4が薬物代謝に関与することから,これらの併用が有害事象の発現に影響する可能性がある.そこで,今回,薬物代謝にCYPが関与する抗がん剤のうちCPAおよびPTXについて,NK1-RAsの併用が制吐管理と有害事象の発現に及ぼす影響について検討した.【対象・方法】当院において2010年1月1日〜2012年6月30日の期間に,EC(高度催吐性リスク)を施行した乳がん患者191名,および,PTX+CBDCA(中等度催吐性リスク)を施行した肺がん患者50名を対象に,がん化学療法導入時のNK1-RAs併用有無,制吐管理と有害事象の発現状況を診療録から後方視的に調査した.【結果】ECではNK1-RAs併用が93名と非併用が98名であり,PTX+CBDCAではNK1-RAs併用が26名と非併用が24名であった.NK1-RAs併用群と非併用群の嘔吐の出現頻度は,ECで6.5% vs 16.5%,PTX+CBDCAで0% vs 8.3%であり,ともにNK1-RAs併用群で嘔吐の頻度は減少した.CR(嘔吐がなく,救援療法の使用もなし)率は,ECで83.9% vs 74.5%,PTX+CBDCAで80.7% vs 87.8%であり,特にECの制吐管理に有効であった.有害事象は,ECおよびPTX+CBDCAともにNK1-RAs併用群で発熱性好中球減少症が多い傾向があった(EC:12.9% vs 6.1%,PTX+CBDCA:23.8% vs 4.7%).その他,好中球減少や末梢神経障害などに差は認められなかった.【考察】NK1-RAsはECおよびPTX+CBDCAの嘔吐の出現を減少させ,これら2レジメンにおける制吐管理に有効であった.一方,作用機序は不明だが,NK1-RAs併用時に発熱性好中球減少症の頻度が高く,これら有害事象の出現に注意する必要がある.今後は前向きに調査を行い,がん化学療法におけるNK1-RAsの有効性および有害事象への影響について,さらに検討する必要があると考える.

キーワード

臓器別:その他

手法別:支持療法

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