演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

がん治療食の試みと問題点の分析

演題番号 : P71-12

[筆頭演者]
神山 薫:1 
[共同演者]
菊池 由宣:2、鷲澤 尚宏:3、丸山 宣政:1、下田 正人:1、島田 英昭:2

1:東邦大学医療センター大森病院 栄養部、2:東邦大院医学研究科臨床腫瘍学講座、3:東邦大医学部医学科外科学講座一般消化器外科分野(大森)

 

【目的】抗がん剤治療や腫瘍自体の影響で食欲が低下した患者にとり、食べられないことは大きな苦悩である。東邦大学医療センター大森病院では、2012年4月に地域がん診療連携拠点病院に指定され、患者が食べられない原因調査は不十分ではあった。それゆえ食欲不振の患者に対応する食事を目的として2012年7月より化学療法を行っている患者を対象に『梅ちゃん食』と名付けたがん治療食を開始した。われわれは今回の試みから得た効果と実態を報告する。【方法】がん治療食(梅ちゃん食)は食欲不振を訴え摂取量が0~3割程度の患者に食事摂取量アップと食べることの喜びや大切さを感じてほしいという思いから入院患者を対象とした食事である。そこでわれわれは入院患者に対し3つの対応を行った。1)食欲不振を訴える患者のために「これなら食べられる」いう物を毎食3品以上提供した。2)嘔気や嘔吐を感じる患者のためににおいの少ない料理を中心に冷製食対応を行った。3)味覚障害を感じる患者のために醤油味の料理を減らしさっぱりした料理をベースに塩味を自己調節できるようにした。これらがオーダーされた件数の推移と患者の状況を調査した。【結果】オーダー件数の推移は、開始時の2012年7月には1日30件だったが2012年10月から減少し、2012年12月には1日10件まで減少した。食事状況は摂取量にムラはあるが80%の患者が2~10割と食事摂取量がアップした。【考察】オーダー件数の減少の原因として1)医療サイドへの情報提供が不足。2)がん患者食の特徴が明確でないため想定より多様な食事が求められたこと。3)個人対応は個人差があり適応に限界があることが考えられた。また少数例の検討ではあるが80%の患者で食事量のアップが認められていることからがん治療食(梅ちゃん食)は患者のQOLを改善する可能性が示唆された。【結語】抗がん剤の種類や量、治療の回数により、患者の食欲不振の症状が異なり、精神面への影響も大きいので、患者や家族、多職種からの情報を基に、摂食状況に与える原因を分析し、対応食を考案する必要がある。今後われわれは医療サイドへの情報提供を周知徹底し、がん治療食(梅ちゃん食)が入院患者のQOL改善に寄与するかを検討する予定である。

キーワード

臓器別:その他

手法別:その他

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