演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

超高齢者に対する消化器悪性腫瘍外科手術

演題番号 : P71-11

[筆頭演者]
山奥 公一朗:1 
[共同演者]
佐々木 一嘉:1、鈴木 誠:1、冨田 祐司:2、湯川 寛夫:3、利野 靖:3、益田 宗孝:3

1:恵生会 上白根病院 外科、2:恵生会 上白根病院 内科、3:横浜市立大学外科治療学

 

【目的】超高齢者の消化器悪性腫瘍の術後成績を検討し、問題点を明らかにすること。【対象と方法】2011年1月から2013年3月までに当科で施行された消化器悪性腫瘍手術症例のうち85歳以上の28症例、胃癌10例、大腸癌18例。同時期に施行された85歳未満の同種手術112症例を対象群とした。超高齢者群(中央値89±4.3)、対照群(中央値72±9.8)とし、術前併存疾患(循環器、呼吸器、脳血管、内分泌糖尿病)、認知症の有無、ASA-PS(American Society Of Anesthesiologists)、術中因子(手術時間(min)[<100, ≧100]、出血量(ml)[<120, ≧120])、術後合併症(Clavien-Dindo分類に基づく)、在院死亡の有無を検討項目とした。【結果】各手術症例の超高齢者の割合は、胃癌10例(35.7%)、大腸癌18例(64.3%)で、緊急手術は4例であった。超高齢者群では21例(75.0%)に術前併存疾患を認め、対照群60例(53.6%)と比べ有意に多く(p=0.04)、ASA3,4症例が23例(82.1%)と、対照群30例(26.8%)と比べ有意に多かった(p<0.001)。全症例で手術死亡例はなく、手術時間、術中出血量ともに高齢者群で有意に少なかった(p=0.04、p=0.03)。術後合併症は超高齢者群の13例(46.4%)に生じ、対照群29例(25.9%)に比べ有意に多かった(p=0.03)。内訳はSSIが6例、腸閉塞が1例、肺炎が6例、心不全1例で、対照群との比較で肺炎が有意に多かった(p<0.001)。超高齢者群の術後合併症のうち、Clavien-Dindo分類Grade2以上が8例(28.6%)、在院死亡例は3例(肺炎2例、心不全1例)(10.7%)で、対照群4例(原病死1例含む)と比べ有意差は得られないが多い傾向にあった。術後在院日数は、両群間で何れも有意差は認めないが、超高齢者群で長い傾向にあった。超高齢者群に関して、術後合併症症例は全例ASA3,4群であったが、各併存疾患と術後合併症に相関関係はなかった。術中因子と術後合併症及び在院死亡との関連性も認めなかった。超高齢者群では肺炎合併症と在院死亡に相関を認めた(p<0.01)。【結語】85歳以上の超高齢者群では、併存疾患を有し、ASA高リスク症例が多かった。手術は超高齢者群でより低侵襲に施行できたが、術後合併症は有意に多く、社会的背景もあり、在院日術も長くなった。特に術後肺炎合併症が多く、在院死亡と強い相関を認めた。今後、超高齢者の悪性腫瘍手術症例が多くなると予想され、慎重な周術期管理が求められることが示唆された。

キーワード

臓器別:その他

手法別:手術療法

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