演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

頭頸部癌における骨転移の治療成績

演題番号 : P71-8

[筆頭演者]
吉田 雅博:1 
[共同演者]
杉浦 英志:1、長谷川 弘晃:1

1:愛知県がんセンター 中央病院 整形外科

 

【目的】頭頸部癌における骨転移の発生頻度は少なく、各種癌の骨転移における治療成績に比べて骨転移の報告は非常に少ない。頭頸部癌で骨転移を来した症例の臨床的な特徴について検討することを目的とした。【対象と方法】1999年より2011年までに、当院で治療を行った頭頸部癌(甲状腺癌を除く)の中で骨転移を発症した26例を対象とした。内訳は男性22例女性4例、平均年齢は61歳(40-81歳)、平均経過観察期間は36ヶ月(10-138ヶ月)であった。骨転移後の平均経過観察期間は11ヶ月(1-41ヶ月)であった。骨転移26例に対し頭頚部癌の発生部位、病理組織型、骨転移の数、骨転移部位、骨転移の治療方法、化学療法効果の有無、内臓転移の有無、及び骨転移後の生存率と予後因子につき検討した。尚、生存分析はKaplan Meier 法で行い、群間比較をLog rank testで行った。【結果】頭頸部癌の発生部位は耳下腺・咽頭が各6例、歯肉・舌が各5例、喉頭2例、副鼻腔・上顎が各1例で、病理組織型は扁平上皮癌が15例、腺癌が8例、その他が3例であった。単発が8例、2個以上の多発が18例、転移部位は腰椎や大腿骨に多く、以下胸椎、骨盤、肋骨の順であった。骨転移の治療は放射線療法とビスホスホネートの投与を基本としたが、病的骨折を9肢に認め、大腿骨が7肢、上腕骨が2肢で、手術待機中に亡くなった1例を除いて全例手術を行った。化学療法は22例に行われ、一次的なPRが7例でその他はSDかPDであった。治療中に内臓転移を発症したのは18例で主に肺か肝臓であった。骨転移後の生存率は、6ヶ月が74%、12ヶ月が38%、24カ月が15%で中央値は13カ月であった。また、生存率を性別、病理組織型、単発と多発、病的骨折の有無、化学療法効果の有無、内臓転移の有無で検討したが有意差は認められなかった。【考察】頭頚部癌発症後、平均約2年で骨転移が見つかり、その後の予後は平均約1年であった。よって、頭頚部癌の骨転移はかなり進行してから見つかることが多いということがわかり、骨転移後の生命予後は不良であるため治療方法の選択が難しいといえる。骨転移の部位は特に上肢よりも腰椎や大腿骨に多くみられた。病的骨折を起こした症例は9肢中7肢が大腿骨発症で、全例骨折後のADL低下を認めた。このように体幹部以下の骨転移は病的骨折を起こすとADLの低下が危惧されるため、できるだけ早期に骨転移を発見して病的骨折を防ぐ必要があると思われた。

キーワード

臓器別:骨軟部

手法別:集学的治療

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